内戦が勃発したアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる”西部勢力”と政府軍の間で激しい武力衝突が繰り広げられる。戦場カメラマンのリーと仲間のジャーナリストたちは大統領を取材するため、陥落が目前に迫るワシントンD.C.へと向かう。
圧倒的な迫力の銃撃戦。ジャーナリストの視点で見る戦場の臨場感。音響がすごい。こればかりは映画館でなければ味わえない。もっとも本当に怖い場面は、暴力が噴出する直前の静けさだったかもしれない。「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」
大国アメリカの崩壊には人々の分断というシナリオがあてがわれる。話が通じない武装兵はためらいもなく引き金をひく。一方でリーが拠り所とするジャーナリズムは影響力を失いつつあるように映る。作品が現実に示唆するものは何だろうか。物語は内戦の結末以上にジャーナリズム精神の継承にクローズアップしていく。