アレックス・ガーランドは『MEN 同じ顔の男たち』に続いて2作目。題材こそ全く違えど、どこかすんなり飲み下せない感じと綺麗な画作りは前作と似ていました。中々しんどい映画でしたね。
テキサスとカリフォルニアが手を組むのは現実離れした設定とも取れるが、この作品では反政府という共通項があったのかなと想像しました。そういう点では分断と団結は表裏一体なのかもしれません。しかし内戦に関わらないようにしている人々がやや批判的に描かれているのは少し引っかかりました。関心を持っていてほしいという願望は理解できますが、それを全ての人に強いるのは"What kind of American are you?"という質問に通ずるところがあるようにも思います。
ジャーナリストとしての正常性と生物学的な人間としての正常性が対比されているように見えたのも興味深かったです。新米ジャーナリストの変化は成長とも言い切れないように思います。
こういう映画が日本でも見過ごされないのは良いですね。時代にフィットしているのだと思います。"What kind of American are you?"は今年一番印象に残ったフレーズかもしれません。アレックス・ガーランドは引退宣言をしているようだが彼の作品をもっと観たい。
メモ:https://www.cinra.net/article/202410-civilwar_iktay
そういえば、SNSが全く出てこなかったのも気になりました。ネットワークがもはや十分に機能していない設定なんでしょうけど、機能している設定でも作れたはず。SNS が心底嫌いなんですね。