Listenerさんの映画レビュー・感想・評価

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ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版(1995年製作の映画)

3.5

やや安直な感じはするけれど、先に観た『ノーウェア』よりこちらの方が好きだな。色々な映画の影を感じる。一番思い出したのは『アメリカの友人』で、グザヴィエはトム・リプリーそっくりだ。ベルトをカチャカチャす>>続きを読む

ノーウェア デジタルリマスター版(1997年製作の映画)

3.0

体感2時間。少なくとも今の日本では作れないだろうなあとは思うけど、90年代のこういう雰囲気はあまり好きではないですね。みんなこういうのが好きなん…?『裸のランチ』みたいな展開には笑いました。

TATAMI(2023年製作の映画)

3.7

イスラエルに負けたら許さんからな!ではなく、そもそもイスラエルと戦うこと自体が許されていないのは驚きでした。

雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.0

『君も出世ができる』を観て以来、古典ミュージカルを掘り下げたいと思っており、ようやく機会が巡ってきました。壁を蹴って1回転するのはこの映画のオマージュだったんですね。ミュージカルといえば歌の要素をイメ>>続きを読む

太陽の少年 4Kレストア完全版(1994年製作の映画)

3.6

『レイジング・ブル』を前方の席で観て、致死量に近い「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲(←タイトルいつも忘れる)を浴びてしまったせいか、この曲を聴くだけで涙が出そうになる。しかし、この映画では「そこ>>続きを読む

若者のすべて(1960年製作の映画)

3.5

『若者のすべて』なんていうもんだから、「あるあるぅ〜!」って話かと思いきや全然そんなことはなかった。どこかで聞いたことある言葉を真似して言えば、女が男をダメにするのではなく、その男が元々ダメな男だとい>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

3.8

途中までずっと『ナミビアの砂漠』の取っ組み合いを見せられているようでクタクタになったが、終わってみれば結構味わい深かった。不思議なもので、一晩経った今は切なさばかりが心に残っている。結局は性愛でしか向>>続きを読む

マルホランド・ドライブ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

3.5

メビウスの輪みたいな映画だと思った。でも世間で言われている解釈のほうがしっくりくるかも。どっちにしたって交渉の場にゴルフクラブを持ってくるのはおかしいけどな。こういう謎解きみたいな映画が好きな人は多そ>>続きを読む

クルージング(1980年製作の映画)

3.7

フリードキンの映画は質感と音楽だけで満足できてしまう。『エクソシスト』と『恐怖の報酬』のしつこいくらい丁寧な導入も好きだけど、本作ではあっさりと本題に。冷たい色からパッと明るくなるダンスのシーンが特に>>続きを読む

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.3

中島歩の魅力がめっちゃ引き出されている。中島歩ファンの方には特にオススメです。ずっと可笑しいけど「絶対に負けられない戦い」が面白すぎた。他の3人が本田と長友のユニフォームを着ている中、ベンジーがボロボ>>続きを読む

ドクトル・ジバゴ(1965年製作の映画)

3.7

古き良き大作といった感じ。もっと大きなスクリーンで観たかった。どちらかといえば『アラビアのロレンス』の方が好きかなあ。

トーニャが成長して全身ピンクのジェラルディン・チャップリンになってしまったとき
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ブルータリスト(2024年製作の映画)

3.0

建築家が主人公の長い映画、くらいの事前情報で観てきた。観ていて思い出したのは『ゴッドファーザー PRATⅡ』『オッペンハイマー』『アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学』の3つだが、独特の文法で作>>続きを読む

ウンタマギルー(1989年製作の映画)

3.3

全編字幕付きと知ってちょっと観たいと思っていた作品。セリフを大別すると、標準語と①(ほぼ)同じ、②ちょっとだけ似てる、③全く違う、の三パターンで、②のセリフを聞く限りでは字幕とニュアンスが結構違ったよ>>続きを読む

雪子 a.k.a.(2024年製作の映画)

3.6

節度を守った映画鑑賞が今年の目標ですが、祝日・サービスデー・心の余裕の三要素が揃った結果、ハシゴしてしまいました。

ラップという馴染みのない世界を見ているだけで楽しいし、本音ベースのコミュニケーショ
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ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

3.9

『敵』『秋日和』『秋刀魚の味』そして本作と、年を取ってから観たほうが味わい深そうな作品がたまたま続いたが、これが一番好みかなあ。言葉の定義に従えば「尊厳死」ではなく「安楽死」と表現するほうが妥当なのか>>続きを読む

秋刀魚の味 デジタル修復版(1962年製作の映画)

3.7

『秋日和』と続けて観たこともあり、またこの手の話か…とちょっとうんざりした。会社の造りなんてまるっきり同じで笑ってしまった。しかし中学時代の旧友や恩師、息子夫婦などが出てくるせいか、『晩春』や『秋日和>>続きを読む

秋日和 ニューデジタルリマスター(1960年製作の映画)

3.5

現代の感覚だとオッサンたちのホモソーシャルな関係がなかなかキツい。司葉子のための縁談ではあるが、それ以上に自分たちが愉しむために縁談を進めているように見えるし、当事者以外で話が進んでいく様はどうも居心>>続きを読む

(2025年製作の映画)

3.6

ようやく2025年の新作1本目。ジジイの「ジャンヌ・ディエルマン」という私の予想は当たらずしも遠からずでしたが、風味は大分違いました。現実と非現実がかなり曖昧で、その曖昧さに誠実であろうとすると、ぼん>>続きを読む

カンフーマスター! デジタルレストア版(1988年製作の映画)

3.4

ジェーン・バーキンの持ち込み企画で家族総出の作品と聞いていたので、この内容にはちょっと面食らった。現代の倫理観ではこれを撮るのは難しいだろう。少年が最後に強がってる(?)ところが好きだった。思い返して>>続きを読む

喜劇 深夜族(1969年製作の映画)

3.5

ポン引きの父とコールガールの娘の話。「あんたがたどこさ」を歌う辺りから面白くなり、浅草の街を走り回るハチャメチャ感が好きだった。あとピロピロしてるテーマ曲も好き。

紅いコーリャン(1987年製作の映画)

3.7

ヒューマンドラマやろなあ
→コーリャン畑が綺麗やわあ
→お?コメディか?
→抗日映画やんけ!
という具合で感情が行ったり来たりしていた。『紅夢』の方が面白かったけど、こちらの方が映画的かもしれない。
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紅夢(1991年製作の映画)

4.0

権力・妬み・復讐の話って面白い。もはや無気力な人、実は腹黒い人、意外と実直な人、人間模様はいろいろですね。

ところで、ほとんど顔が映らない主人や、登場回数の割に話に絡んでこない正妻の息子には、どうい
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アニエス V. によるジェーン B. デジタルレストア版(1988年製作の映画)

3.7

ジェーン・バーキンを愛でる映画。彼女がいなくなった今、こういう映画が残っているのは幸せなことだ。内容らしい内容は無いけど、観ていると心が晴れやかになる。鏡に映った沢山の彼女で画面がいっぱいになるところ>>続きを読む

男はつらいよ(1969年製作の映画)

3.6

(4Kデジタル修復版)少し前に『スクラップ集団』を観たせいか、渥美清を観たい欲求が高まっていた。偶然だがまた屁の話をしてる。兄の存在で妹の縁談がダメになってしまって…という事件がありましたよね。フィク>>続きを読む

剣 4K版(1964年製作の映画)

4.3

画の美しさもさることながら、これは話が面白いわ。自殺するのは本当に強い人か本当に弱い人のどちらかだと国分は言う。はたしてどちらだったのか。執拗な腕立て伏せで気が付いたが、『美しき仕事』との共通点がいく>>続きを読む

僕の村は戦場だった(1962年製作の映画)

3.5

『ノスタルジア』を観て以来、少し気になっているタルコフスキー。これは後年の作品とは違った雰囲気だったかな。それでもボロボロになっている宗教画が秩序の崩壊を象徴しているような気がして、逆説的ではあるが、>>続きを読む

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.9

行くだけで優雅な気分になれる日仏学院にて。『死刑台のメロディ』『地下室のメロディー』あたりとずっとごっちゃになっていた。エレベーターが下がり始めた時に「死刑台ってそういうこと!?」と思ったが、そうでは>>続きを読む

斬る 4K版(1962年製作の映画)

3.9

三隅研次を観るのは初めて。「美」というワードが想起される監督だと何となく思っていたが、ファーストショットしかり、見せ方に美学が感じられる。河原での決闘のシーンは、後ろの雲を見れば昼だと分かるが、夜のよ>>続きを読む

お引越し 4Kリマスター版(1993年製作の映画)

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観たことがあるのでどうしようか迷っていたが、後半を4Kで観てみたい!と思い、行ってきた。しかし上映開始から程なくして尿意と偏頭痛の予兆が現れ、妙な緊張感に支配された状態での鑑賞だった。残念無念。

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ランボー 4Kレストア版(1982年製作の映画)

3.5

『気狂いピエロ』で引用されている方…じゃない方のランボー(言いたかっただけ)。社会派要素はありつつもアクション重視で、アメリカン・ニューシネマとはまた違った味わいでした。保安官がランボーをなぜあれほど>>続きを読む

セーラー服と機関銃(1981年製作の映画)

3.8

先日観た『東京上空いらっしゃいませ』の余韻がまだ続いているような気がして、年末年始は心穏やかに過ごせました。顔を合わせた地元の友人達からは変化が感じられ、『風櫃の少年』が頭をよぎりました。私も糸の切れ>>続きを読む

あんのこと(2023年製作の映画)

3.5

2024年に観た作品のうち、コメントを書いていないのはこれが最後…しかし本作はどうも飲み下せておらず筆が進まない。セーフティネットの脆弱さにクローズアップしているのかな。これも2025年の宿題です。>>続きを読む

コール・ミー・ダンサー(2023年製作の映画)

3.7

無い物ねだりだろうけど、あんなに夢中になれることがあるのは羨ましい。チャンスを掴むには何が重要なのか?努力、人脈、タイミング。しんどさや難易度は報酬に比例しない。無報酬で踊り続ける彼を見ていると、大し>>続きを読む

まる(2024年製作の映画)

3.5

物語と映像の質感は好き。脇役のキャラクターはいかにもな感じがするが、その辺りを受け流した私はまあまあ楽しめた。こなれた日本語を使うミャンマー人の彼のリアクションも瞬発力があって面白かった。

作品や業
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ぼくの小さな恋人たち 4Kデジタルリマスター版(1974年製作の映画)

4.0

ありそうでなかった映画…そんなことない?今の時代ではたぶん作れない。嫌悪感も抱くかもしれないが、こういう話に共感できる男性はきっと少なくないと思う。同じような経験をしたわけではないけど、うまく振る舞え>>続きを読む

ラストマイル(2024年製作の映画)

3.4

関連作品を観ていなくても違和感無く観られる作品ではあった。特に大きな不満があったわけではないけれど、あまり心には残っていない。ネットで注文した何でもない商品が翌日に届くのを見て、そんなに無理しなくても>>続きを読む