(35mm)観終わった後、スッキリして元気が出た。人生やりきったんだな。古臭さよりも輝きのほうが圧倒的に勝っている。
洒落た構造の部屋での長回しは手数の多さに痺れて、屋形船での長回しはズームアップに>>続きを読む
『風櫃の少年』に続いて侯孝賢の悪ガキシリーズ。私はやはり『風櫃の少年』の主人公と同じタイプの悪ガキだったのだとこれを観て思った。母の再婚を匂わすシーンとか、ああいう大事かもしれないエピソードがあっさり>>続きを読む
こういう後味が悪い映画も好きですよ。余白のある画面がスクリーン映えしていたように思いました。
ビンタするシーンはシリアスな場面なのにコントみたいで、近くに座っていたおじさんと一緒に笑ってしまいました>>続きを読む
確か2年前に早稲田松竹で観るチャンスがあった。一話ごとに独立していると知りつつも、全部は観られないだろうと思い、0か100かで考えがちな私はこれをスルー。今回は成り行きで観に行ったわけだが、1回分の料>>続きを読む
虚無顔の彼のテンションが時々おかしくなるのが一番好きです。しかし懐かしさや心地良さを覚えるような青春では無かったですね。一度閉めた扉を少し開けるところで、父の感情が感じられて好きでした。たぶん彼はあの>>続きを読む
めっちゃいいじゃないか。セリフに頼りすぎない構成と奥行きのある画は観ていて本当に気持ち良かった。「まだしばらくの間はこの映画を観ていられるんだ」という感情が湧いたのは久しぶりだ。最後にああいった行動に>>続きを読む
恋恋風塵と同じと思われるロケーションが一転してダークに染まっていた。物語性が強い終盤以外はあまり面白くなかったな。直前に観た恋恋風塵と同じ匂いは少しするけど…なんでだろう。
中華料理が食べたくなって>>続きを読む
驚くほどダラダラ進む序盤・中盤に対し、突き抜けまくりの終盤。やっぱり岡本喜八は爆発オチが好きなんだと思う。高速道路のくだりと爆発したまま迎えるエンディングは面白かった。冒頭の日本語吹き替えはむしろ無い>>続きを読む
近年プロ野球で乱闘が無くなって寂しい思いをしているそこの貴方、この映画を観てください。途中までそれほど乗れなかった私も、この面子では必然としか言いようが無い乱闘発生で楽しくなってしまいました。テニスの>>続きを読む
はじめての侯孝賢。「ホウ・シャオシェン」って口ずさむと中国語を話してる感じがするとずっと思っていましたが、ようやくそれ以外のことを語れます。
淡くて独特ですね。侯孝賢を師と仰ぐ是枝裕和の発言を見つけ>>続きを読む
見つかってしまうのではないかというドキドキ感を味わえる映画でした。終わり方も味わい深かった。淀川長治が2人の関係性をホモセクシャルと評したのは有名な話。私がイメージする「ホモセクシャル」とは異なるが、>>続きを読む
どんなひどい映画なんだと身構えていたが、これも結構面白かったぞ。フリードキンの『恐怖の報酬』方式でスクラップ集団が結成されるのが笑える。
本作の登場人物も真っ直ぐだ。「あだ名にこそ実存が宿る」みたい>>続きを読む
『日本映画史110年』を読んで、田坂具隆は戦争映画をいくつか撮ったこと、そして被爆者であることだけ知っていた。全然知らない巨匠の特集上映に行くのは好きなんですが、忙しさにかまけて気が付けば最終日。増村>>続きを読む
硬派な雰囲気が漂うタイトルとキーアートを見て、前から気になっていた作品。不安定なおっさんと安定したおっさんを見分けられるようになるまで少し時間がかかりましたが、予想に違わず好きなタイプの映画でした。テ>>続きを読む
はじめてのデヴィッド・リンチ。正直ピンときませんでした。ドラマを観た人向けなんでしょうか。冒頭のしかめっ面で踊る女性の意味不明な感じとか、殺人シーンのスタイリッシュさ?は好きだったんですが。あの踊りを>>続きを読む
仕事で汚れた心を洗うつもりで観に行った。しかし目についたのは孤独の解像度の高さ。孤独な奴はコミュニティに属していない。孤独な奴は意味もなく夜更かしする。孤独な奴はイベントを待っている時に掃除を始める…>>続きを読む
社会派ヒューマンドラマ。関心を示さない優しさね。映画化に際して付け加えられたタイトル「望郷」は、おサキさんの言動からは明確には感じられなかったが、貧しくはあるものの偏見が無かったあの頃の故郷に戻りたい>>続きを読む
頼られるのも人との繋がりであると頭ではわかっているつもりだが、他人への頼み事はどうしても避けてしまう。私も人に対して無関心なタイプなので(少なくとも傍から見れば)、姉がトンボに語りかける言葉は耳が痛い>>続きを読む
名作が並ぶ棚。巴里祭…トップガン…レイダース…ローマの休日…謎のビデオ!!!いやその流れはおかしいだろ笑 あまりにも場違いで笑ってしまった。根拠レスの突破力を発揮する真田広之といい、ツッコミどころが多>>続きを読む
面白かった。過去に観ているはずなのにほとんど覚えていなかった。そうそう、死んだ奴は負けなんです。裸にされるんです。私達はそのことを忘れています。ギャンブラーってドライで洞察力があるよね。シンプルなこと>>続きを読む
吉田喜重の映画はバッチバチに決まったショットを見る楽しみがあるから好きだ。遺作と聞くとやりたい放題してるのではないかと少し身構えてしまうのだが、本作はそういった類のクセはなく杞憂だった。監督が2022>>続きを読む
どうせまた過ちを犯し続けている男の話だろ?と高を括っていたのだが、思っていたよりもかなりまともな男だった(スコセッシ比)。それでもこうなってしまったのは業ですかね。そして身の丈に合ったところに収まる。>>続きを読む
コメディかと思いきや、ファンタジー風のちょっと変わった映画でした。警察の間でも「魔法の剣一味」で通っているんですね。あのお姉さん怖すぎ。作劇が弱い気がするけど、オープニングクレジットと映像の質感、そし>>続きを読む
これは…(not) HEROINE moviesに期待している内容ではなかったなあ。変なんだけどただただ変なだけに感じてしまう。
「他人が祝ってくれるの待ってるの?」的なセリフがグサッと心に刺さった>>続きを読む
アメリカで『シビル・ウォー』が起こっている頃、日本はこんな感じなのかなと勝手に設定を作って観ていました。『ナミビアの砂漠』もそうでしたけど、何だか悲観的な設定の作品が多いですね。これが今の時代の空気感>>続きを読む
観る機会を何度もスルーしておきながら、4Kが出るとノコノコ観に行くというね…まあでもこれは色遣いが綺麗なので4Kで良かったと思う。やはりおかしな映画だ。やりたい放題だぜ。 お前が死ぬんかい!とか、重要>>続きを読む
2日続けてホン・サンス2本立てを観に行って、2日続けてウトウトしてしまった。まるで成長していない。しかしこれは覚醒していてもピンと来なかった気もする(言い訳)。
韓国の居酒屋ってなんか魅力がある。い>>続きを読む
天使が傍観してるだけの『ベルリン・天使の詩』みたいな?それでも人間の気まぐれによって問題が緩和される。人間を諦めきってはいない。
ホン・サンスの特徴だと思ったのは、酒、複数人での食事、タバコ、自殺、>>続きを読む
これまで観たホン・サンスの中では一番とっつきやすかったが、その分独特の旨味も少なく感じた。迫真のズームからのデートの誘い(直球)には笑った。ホン・サンスはああいう瞬発力を時々見せてくる。誘う方も誘われ>>続きを読む
ざるそば定食を頼んだら刺身がたんまり出てきたような(?)体験でした。大まかなストーリーは予想通りなんですが、全編通して抑え気味で、演出も現代とはちょっと違う感じがします。それと作り手がバレエに執着して>>続きを読む
アクロバティックな構成が面白かった。前半のうっすらとした違和感はそういうことだったんですね。そして後半の男の類を見ないほどのキモさよ。それ以外のものが霞んでしまっている。他の人の感想でもキモいとばかり>>続きを読む
ようやく初めてのホン・サンス。かつてないほどウトウトしていましたが、多用される長回しのおかげで目が覚めても同じシチュエーションでした。話についていけた気がします。
この映画のルールを理解するのに時間>>続きを読む
まるで古来から存在するおとぎ話が伝承を経ずにそのまま現代にやってきたかのようで、「ハハッ」という乾いた笑いが時々出ました。3話ともどこか陰謀論チックですね。クローズドな関係性である企業、夫婦、宗教いず>>続きを読む
アレックス・ガーランドは『MEN 同じ顔の男たち』に続いて2作目。題材こそ全く違えど、どこかすんなり飲み下せない感じと綺麗な画作りは前作と似ていました。中々しんどい映画でしたね。
テキサスとカリフォ>>続きを読む
70年代の質感が感じられる予告を見て少し気になっていた作品。他の映画を観るつもりだったんですが、タイミングが合わず、これを観ることにしました。ジャンプスケア的な演出が少なく、エンタメ作品として良かった>>続きを読む
『アネット』以来のカラックスでした。劇場で観るチャンスがなかなか無かったので、観たい新作が溜まっているのについ観に行ってしまった。
90年代末の嫌な感じって邦画固有ではなかったんですね。無い物ねだり>>続きを読む