Listenerさんの映画レビュー・感想・評価

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ルート29(2024年製作の映画)

3.4

頼られるのも人との繋がりであると頭ではわかっているつもりだが、他人への頼み事はどうしても避けてしまう。私も人に対して無関心なタイプなので(少なくとも傍から見れば)、姉がトンボに語りかける言葉は耳が痛い>>続きを読む

リング(1998年製作の映画)

3.3

名作が並ぶ棚。巴里祭…トップガン…レイダース…ローマの休日…謎のビデオ!!!いやその流れはおかしいだろ笑 あまりにも場違いで笑ってしまった。根拠レスの突破力を発揮する真田広之といい、ツッコミどころが多>>続きを読む

麻雀放浪記(1984年製作の映画)

4.1

面白かった。過去に観ているはずなのにほとんど覚えていなかった。そうそう、死んだ奴は負けなんです。裸にされるんです。私達はそのことを忘れています。ギャンブラーってドライで洞察力があるよね。シンプルなこと>>続きを読む

鏡の女たち(2002年製作の映画)

4.1

吉田喜重の映画はバッチバチに決まったショットを見る楽しみがあるから好きだ。遺作と聞くとやりたい放題してるのではないかと少し身構えてしまうのだが、本作はそういった類のクセはなく杞憂だった。監督が2022>>続きを読む

カジノ(1995年製作の映画)

3.5

どうせまた過ちを犯し続けている男の話だろ?と高を括っていたのだが、思っていたよりもかなりまともな男だった(スコセッシ比)。それでもこうなってしまったのは業ですかね。そして身の丈に合ったところに収まる。>>続きを読む

リトル・ワンダーズ(2023年製作の映画)

3.5

コメディかと思いきや、ファンタジー風のちょっと変わった映画でした。警察の間でも「魔法の剣一味」で通っているんですね。あのお姉さん怖すぎ。作劇が弱い気がするけど、オープニングクレジットと映像の質感、そし>>続きを読む

チャチャ(2024年製作の映画)

2.9

これは…(not) HEROINE moviesに期待している内容ではなかったなあ。変なんだけどただただ変なだけに感じてしまう。

「他人が祝ってくれるの待ってるの?」的なセリフがグサッと心に刺さった
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HAPPYEND(2024年製作の映画)

4.0

アメリカで『シビル・ウォー』が起こっている頃、日本はこんな感じなのかなと勝手に設定を作って観ていました。『ナミビアの砂漠』もそうでしたけど、何だか悲観的な設定の作品が多いですね。これが今の時代の空気感>>続きを読む

東京流れ者 4Kデジタル復元版(1966年製作の映画)

3.8

観る機会を何度もスルーしておきながら、4Kが出るとノコノコ観に行くというね…まあでもこれは色遣いが綺麗なので4Kで良かったと思う。やはりおかしな映画だ。やりたい放題だぜ。 お前が死ぬんかい!とか、重要>>続きを読む

川沿いのホテル(2018年製作の映画)

-

2日続けてホン・サンス2本立てを観に行って、2日続けてウトウトしてしまった。まるで成長していない。しかしこれは覚醒していてもピンと来なかった気もする(言い訳)。

韓国の居酒屋ってなんか魅力がある。い
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草の葉(2018年製作の映画)

3.7

天使が傍観してるだけの『ベルリン・天使の詩』みたいな?それでも人間の気まぐれによって問題が緩和される。人間を諦めきってはいない。

ホン・サンスの特徴だと思ったのは、酒、複数人での食事、タバコ、自殺、
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リスト(2011年製作の映画)

3.6

これまで観たホン・サンスの中では一番とっつきやすかったが、その分独特の旨味も少なく感じた。迫真のズームからのデートの誘い(直球)には笑った。ホン・サンスはああいう瞬発力を時々見せてくる。誘う方も誘われ>>続きを読む

リトル・ダンサー デジタルリマスター版(2000年製作の映画)

3.6

ざるそば定食を頼んだら刺身がたんまり出てきたような(?)体験でした。大まかなストーリーは予想通りなんですが、全編通して抑え気味で、演出も現代とはちょっと違う感じがします。それと作り手がバレエに執着して>>続きを読む

映画館の恋(2005年製作の映画)

3.7

アクロバティックな構成が面白かった。前半のうっすらとした違和感はそういうことだったんですね。そして後半の男の類を見ないほどのキモさよ。それ以外のものが霞んでしまっている。他の人の感想でもキモいとばかり>>続きを読む

あなた自身とあなたのこと(2016年製作の映画)

-

ようやく初めてのホン・サンス。かつてないほどウトウトしていましたが、多用される長回しのおかげで目が覚めても同じシチュエーションでした。話についていけた気がします。

この映画のルールを理解するのに時間
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憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.3

まるで古来から存在するおとぎ話が伝承を経ずにそのまま現代にやってきたかのようで、「ハハッ」という乾いた笑いが時々出ました。3話ともどこか陰謀論チックですね。クローズドな関係性である企業、夫婦、宗教いず>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.8

アレックス・ガーランドは『MEN 同じ顔の男たち』に続いて2作目。題材こそ全く違えど、どこかすんなり飲み下せない感じと綺麗な画作りは前作と似ていました。中々しんどい映画でしたね。

テキサスとカリフォ
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悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)

3.8

70年代の質感が感じられる予告を見て少し気になっていた作品。他の映画を観るつもりだったんですが、タイミングが合わず、これを観ることにしました。ジャンプスケア的な演出が少なく、エンタメ作品として良かった>>続きを読む

ポーラX(1999年製作の映画)

3.3

『アネット』以来のカラックスでした。劇場で観るチャンスがなかなか無かったので、観たい新作が溜まっているのについ観に行ってしまった。

90年代末の嫌な感じって邦画固有ではなかったんですね。無い物ねだり
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ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

3.8

「ろう者を扱った映画はどれも見ごたえがある」というのが私の持論だ。例に漏れず本作も良かったが、思っていたよりもかなり普遍的な話だった。「ふたつの世界」は音が聞こえる世界/聞こえない世界という軸だけでは>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

3.6

(35mm)ドニ・ラヴァンが走ることだけは知っている…いや、ジュリエット・ビノシュが手を広げている画も知っている…その程度の事前知識で観ました。若々しくてスタイリッシュですね。恋愛?ノワール?SF?ち>>続きを読む

捕えられた伍長 4Kレストア(1962年製作の映画)

3.8

これまで私が観たルノワールの作品よりもコミカルで、バラエティに富んだ脱走&拘束は『脱獄広島殺人囚』のような面白さがあった。なんでトイレの外側に鍵が付いてるんだよ!と突っ込みたくなる。巻き尺のシーンの残>>続きを読む

野球どアホウ未亡人(2023年製作の映画)

3.0

応援上映にて。一連のシークエンスなのにすっかり日が暮れていて、「なんで夜なんだよ」「撮り直せ」という的を射た野次が飛び面白かった。野次が聞きたければ混んでいる辺りに座ろう。(応援とは…?)

Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.6

予告が流れるたびに「せいぜい楽しみましょう!!」で笑っていた本作。本編を観るまで「コイツコロース」は柄本明の声だと思っていた。この映画で描かれる転売屋の生態がまず面白かったですね。ちょっと余裕がありそ>>続きを読む

黄金の馬車(1953年製作の映画)

3.2

ジャン・ルノワールは3作目。『フレンチ・カンカン』の最後のような派手なシーンは流石に覚えているが、それ以外は程なくしてすぅーっと体から抜けていった記憶がある。本作も例に漏れずすぅーっと体から抜けていっ>>続きを読む

熱烈(2023年製作の映画)

3.6

私はダンスを扱った映画が好きだ。この映画はオリンピックなどの大一番を観ているときのあの感じを味わえる。ただ、ダイナミックなダンスを映すカメラが動き過ぎている気もする。

業界に特別詳しい訳ではないけど
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

3.8

(116分版)長谷川和彦監督作は昔に『太陽を盗んだ男』を観て以来。…これで全部じゃないか。ゴダイゴの「想い出を君に託そう」に合わせてタイトルがでた時に、あ〜この映画を観て良かったなあという感情が早々に>>続きを読む

男たちの挽歌 4Kリマスター版(1986年製作の映画)

3.8

コテコテで古臭いが存外良かった。4Kリマスターらしからぬ画質もかえって味がある。制作会社のロゴが出てからオープニングまでのコテコテ感が観ていて落ち着くんだよなあ。ノスタルジーだろうか。子供の頃のようで>>続きを読む

狂った果実(1956年製作の映画)

3.8

しばしばヌーヴェルヴァーグに言及される本作。前衛的なのかと思いきやそうでもなかった。でも現代人が観ても楽しめるだけの強度がある。顔の映画かなあ。男臭い石原裕次郎、幼さが残っている津川雅彦、イケメンとい>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

3.7

『ストーカー』と続けて観た。あんな感じの作品だったら正直しんどいなあと思っていたが、こちらは比較的観やすかった気がする。内面にフォーカスした作品は好きだが、主人公のパーソナルな話のように思えて『ストー>>続きを読む

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.6

時代劇と映画への愛だ。タイトルの右下に映倫のマークが出てきたところで最初にそれを感じた。最近の映画は本編ではあまり出てないよね?東映京都も協力してくれるとは粋ですね。見てなかったとはいえ、子供の頃は時>>続きを読む

自由の暴力 デジタルリマスター版(1974年製作の映画)

3.7

いつもの面子によるいつもの?ファスビンダー。今まで観た作品を振り返ってみると、ファスビンダーはいつもパワーバランスをテーマにしているように思う。文化資本の違いが露骨で見ていて辛いね…。感じの悪い表現だ>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

4.2

映画で歴史を学ぶシリーズ
映画をきっかけに歴史を学ぶのが好きだ。私たちの世代はこの作品の時代を経験していないので、韓国が民主化されるまでに要した年月を知って驚く人も少なくないと思う。

『日本のいちば
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石がある(2022年製作の映画)

3.5

相手が勝手に渡り始めたのに謝っていて可笑しかった。面白いかどうかよりも自分の過去に思いを巡らせる時間だった。子供の頃は水切りやったなあ、そうそう平べったいのがいいよ、そういえばどこでやったんだっけ?今>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

3.6

マレーシアならではの作品と言えるだろう。マレーシアに様々な民族・宗教・言語があるのは知識としては知っているけど、色々な言語が飛び交う様子は物珍しく見える。隣人との諍いで死人が出ても周りは割とあっさりし>>続きを読む

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.5

今年観た新作の中では一番気に入った。こういう痛みのある話は好きだ。終盤のタクヤと荒川のやり取りは涙が出たし、キービジュアルを見ていると今でも涙が出そうになる。 最後のシーンでもう一押しあった方が好みだ>>続きを読む