大統領選でトランプが勝ってしまったアメリカ。この先どうなるの、、と「ダーク・ツーリズム」的な興味もあって鑑賞。よくも悪くも「没入体験」が半端ない映画なので、劇場で見てよかったです。
テキサスとカリフォルニアの西部連合が反旗を翻したアメリカ。現職大統領のインタビューを狙ってNYからワシントンを目指すジャーナリストたちの地獄のロードムービーでした。内戦(Civil War)に至る過程や全体の戦況を描かず、主人公達の経験する出来事だけを描いているので、観客は一体何が起きているのかよくわからず、主人公たちと一緒に内戦に放り込まれます。(その点は以前見たネトフリの「終わらない週末」に少し似てますね)
人々が普通に暮らすNYで街角の一角が炎に包まれていたり、JCペニーのだだっ広い駐車場にゴミとヘリの残骸があったり、田舎のガソリンスタンドの裏手でリンチが起きていたり、、と内戦が起きたらこういう感じだろうなあ~と思われる荒涼とした風景がリアルで緊張感が半端ないです。銃声や音楽が爆音で流れるので迫力も満点。全編に流れるヘヴィーな音楽は私の好みではありませんが、ダークで絶望的な感じが本作の雰囲気にマッチしていたと思います(あでもDe La Soulは好きです)
今まで「A24」の作品は何を観ても後味が悪く「観ては後悔」の繰り返しだったのですが、初めて満足のいく作品に出合いました。(本作も後味は決して良くはないですが)