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シビル・ウォー アメリカ最後の日のtakashiのレビュー・感想・評価

4.2
アメリカで起きた内戦下、反政府側に従軍する記者たちのロードムービー

戦闘シーンはさすがアメリカ映画といえるレベルに凝っていて、内戦が起きたら本当にこうなんだろうなと思えるほどの緊迫感があった。
※個人的にはそれでもプライベートライアンの戦闘の演出は超えてないと思う。それほどにあの作品はヤバい

記者たちは真実を伝えるという想いであらゆるシーンを撮影するのだろうが、結局彼らもこの非日常の中に完全に飲み込まれてしまう。

自分たちも生きるか死ぬか分からない時間を過ごし、途中では完全に狂ったような国粋主義(差別者)の人間に触れ、ラストはもう興奮しきって自分の感情に突き動かされしまっている。

本作のメッセージとしてはもちろん反戦映画であり、極度の保守志向に対する牽制なのだろう。ただ、ある人間が素晴らしい思想を持っていたとしても雰囲気、場所、タイミング次第でそんなものは簡単に失ってしまい、ただ熱狂の渦に巻き込まれてしまうという人間の本質に迫るような展開は事前に期待していた本作を大きく上回ったものだった。


アメリカは憲法修正第2条に誰もが武器を取ることを権利として認めており、これがいざとなったら市民たちが連邦政府に対して戦うことができることを示している。
この内戦も決して映画だけの話ではないし、分断が進む今の世の中だからこそ現実のアメリカでは違う形の内戦は起きるのかもしれない。
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