感想動画
https://youtu.be/8-FeRb4HPBw?si=fuo96exBrlB0-waJ
今年度アカデミー賞の脚本賞と助演男優賞にノミネートした注目作。
性格が真反対な従兄弟2人が、久しぶりに再会し、
亡き祖母の故郷があるポーランドへ、ホロコーストツアーに参加するロードトリップムービー。
今作は、監督・主演・脚本・制作を務めたジェシーが自身の家族のルーツがポーランドにある事から、本作を作る事になったという事で、鑑賞してきたが、面白かった。深かった。
全体通して見れば、今回のMVPはベンジーを演じたキーラン・カルキンの存在。まさにキーパーソン。もう演技が上手いを通り越して、本当にベンジーという人なんじゃないかと錯覚するくらい、唯一無二の存在だった。
これはアカデミー助演男優賞獲るんじやないかな、いや獲ってほしい!
そのベンジーを演じたのは、あの「ホームアローン」マコーレーカルキンの弟キーラン・カルキンという事で、やっぱ似ていますね。
ポーランドの街並み、風景をショパンの音楽とともに映すカメラワーク、そして亡くなった祖母が回想でも写真でもあえて劇中に映すことはなく、2人の会話だけで完結させるという方法も自分もそのツアーに参加しているような感覚にさせてくれる。非常に巧い。
だからこそ、よりベンジーのその言葉が刺さる。
原題の「Real Pain」は直訳すると”本当の痛み”という意味もあれば、”面倒くさい”や”鬱陶しい”という意味もある。
ずっと一緒にいたら面倒臭いし、鬱陶しいくらい性格が違う2人だけど、お互い人の痛みを知っている。この旅を通じて互いの痛みを知りながらも、その痛みを理解しあって、寄り添っていく。もうまさにこれが映画のメインテーマ。
あと前半でベンジーがシャワー中に流してた曲がSlim Smith & The Uniques (スリム・スミス・アンド・ザ・ユニークス)の「My Conversation」。性格が全然違う2人だけど、2人なりの会話の仕方がそこにあるという伏線であり、それはラストのビンタの伏線になっているのかな、なんて僕は思いました。