映画『ライン・ゴールド』
刺青入れて、どんなに粋がっても、このアーティストに敵わない。
イラク革命、戦士となったクルド人の母親は、コウモリが飛ぶ洞窟で自力で出産。音楽家の父らとパリに亡命。幼い頃から父に厳しく音楽を教えられる。
ドイツで両親が離婚、貧困になる。街の不良に袋叩き。復讐なった格闘技習い全員半殺しに。
スキンヘッドにして「危険なやつ:Xatar」と名乗り、音楽院に通いながら、クラブのバウンサーになる。学校中退、ギャングの手下になる。
液体コカインに運び屋になるが、瓶が割れて、警察のフリして金塊強盗。
実家に特殊部隊が踏み込む。逃亡したシリアで逮捕。小便はペットボトル、大便は昼に中庭のギュウギュウ詰めの刑務所。ドイツで服役中に父に時間を無駄にするなと言われ、ラップを制作。リリックはこれまでの生き様。
房の中で吹き込んだ音楽でいつの間にかスターに!
今はベンツに乗って、お金持ちで結婚して娘もいる。
以上
話は盛りだくさんなので、すごくテンポよく進むため、物足りなさを感じるエピソードもある。特にアーティストになってからが短い。
犯罪者であるが、飄々と描かれる主人公はどこか憎めない。
主人公を演じるエミリオ・サクラヤ、どんどんイカつくなっていく様が素晴らしい。
監督は骨太な人間ドラマを描くドイツのファティ・アキン。
アーティストは伝えたい事があると強い!逆に伝えたい事も、描きたい事もないのにモノを作ると薄っぺらい。
アメリカでは、ベトナム戦争の渦中や直後、パワーに溢れた映画や音楽の傑作がいっぱい誕生した。
そういう事。