リンコロシネマ

水深ゼロメートルからのリンコロシネマのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.7
U-NEXTさんがお勧めしていて予告を観たら《『アルプススタンドのはしの方』に続く高校演劇の映画化》と出てきた。『アルプススタンドのはしの方』も演劇も好きなので、そりゃ観るわ。しかも監督が『カラオケ行こ!』や『天然コケッコー』の山下敦弘監督とあらばなおさら。

知ってる役者さんが先生役のさとうほなみさんしかいなかった…他のキャストは本物の高校生の演劇部なのだろうか?と思って観ていた。(後述)

《あらすじ》
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夏休みを迎えた高校2年生のココロ(濱尾咲綺)とミク(仲吉玲亜)は、体育教師の山本から特別補習としてプール掃除を指示される。プールには水が入っておらず、隣りの野球部グラウンドから飛んできた砂が積もっていた。二人が渋々砂を掃き始めると、同級生である水泳部のチヅル(清田みくり)や水泳部を引退した3年生のユイ(花岡すみれ)も掃除に合流。学校生活や恋愛、メイクなどなんてことのない会話をするうちに彼女たちの悩みが溢れ、それぞれの思いが交差していく。
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観はじめて2/3くらいまでは他愛のない会話劇かと思っていたが終盤が近づくにつれ大人や学校や世間への不満など…それらも些細なことながら私も含め高校生時代の誰しもが感じるリアルな内容だから惹かれる。この映画が持っている魅力。

中田夢花さんが徳島市立高等学校に演劇部に所属していた時の戯曲であり44回四国地区高等学校演劇研究大会で「文部科学大臣賞(最優秀賞)」を受賞している作品。『アルプススタンドのはしの方』(2019年)に続く高校演劇リブート企画の第2弾として、東京・下北沢の「劇」小劇場にて上演され、そのメインキャスト3人が映画にも出演しているそう。あまり映画では観ないので舞台役者さんなのだろうか?

戯曲を書いた中田夢花さんにしてもキャストの皆さんにしても才能というのは我々が知らないところで花が咲いているもの。やはりアンテナは高く張らなきゃ。