キッチー

カンダハールのキッチーのレビュー・感想・評価

カンダハール(2001年製作の映画)
3.6
2001年に制作されたアフガニスタンを舞台にした映画。内戦を怖れてカナダに亡命していたアフガニスタン人ジャーナリストのナファス(ニルファー・パズィラ)が、故郷カンダハールに残してきた妹から届いた自殺を仄めかす手紙を見て、妹を救いに行こうとする話。当時のアフガニスタンの現実も描かれています。

荒れ果てた土地には木も生えていない。砂漠のような場所を移動していく。学校では武器の扱い方や戦いについて教え、落ちこぼれた少年は生きるために、死体まで漁る。
飢え、汚染された水、病気...紛争により文化的な生活を失った人々が痛々しい。
地雷で足を無くした人々、落下傘で落ちてくる義足に駆け寄る人々。タリバンにブルカ(全身を隠す布)の着用を強制されている女性たち。

一度は安全な場所に居た姉が、妹のため、危険な場所に戻ろうとする話で幸せな未来は想像できません。
「アフガン女性の幾つもの牢獄を逃れた..だが今はそのすべてに囚われている気分だ..妹よ あなたのためだ」というナファスの言葉、心に刺さりました。

既に17年も前の作品になっているので今の状態とは違うとは思いますが、政情の不安定な国なので、どうなっているんですかね。もっと知りたいと思いました。
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