カンダハールの作品情報・感想・評価

カンダハール2001年製作の映画)

SAFAR E GHANDEHAR

製作国:

上映時間:85分

ジャンル:

3.7

「カンダハール」に投稿された感想・評価

良くも悪くも映画っぽくなく、ドキュメンタリーっぽい作品

義足が降ってくるシュールなシーンや、道中に出くわす変な奴、いい奴、悪い奴など中東っぽくて旅してるような気分になる

ただ、あれだけ妹に会うとコミットしてるんだから最後はちょっと納得できなかった
No.953[義足にパラシュート頼み…オープニングで全部終わる映画] 50点

想い出記録。「ギャベ」を見て、マフマルバフ作品は初だと思っていたのだが、思い返してみれば本作品を鑑賞していた。それも2ヶ月前。

内容は確か、月食の日に自殺するといった妹のもとカンダハールに赴こうと、先に亡命していたジャーナリストの姉が旅をするという話だった気がする。ただただ砂漠を歩くだけのシーンが多かった覚えがある。最後はカンダハールに辿り着く前に終わったぽいから、後味は微妙だったんだろう。変な映画作るんなら後味くらい良くしてくれよ。

義足にパラシュートつけて飛ばすシーンが何回か出てきたので、マフマルバフはビジュアル先行型の匂いがする。ビジュアル先行型は”画はキレイだけど脚本ボロボロ”というパターンが非常に多いので、まぁそういうことなんだろう。「ギャベ」はその”画”すらパラジャーノフ頼みだったが、本作品は自分で考えたっぽいので10点あげた。
yadakor

yadakorの感想・評価

4.0
アフガンですら食べ残すなって先生が注意してるのなんかウケたな
欧米人がブルカは女性の権利を迫害してるという考えを強要するのはキリスト観に基づく独善に思える
子供も大人も教育を受けていないからテロリストでなくても本当の意味で民度が低いので関わりたくはない国だな、と思ったね
たまたま古本屋でマフマルバフ監督がこの映画製作後に出版した『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』を見つけた。地雷についての部分だけでも暗澹となるこのレポートの冒頭にマフマルバフ監督は「この苦い題材があなたの心地よい生活に無関係だと思うなら、どうか読まずにいてください」と書いている。
以前そのアフガンあたりを取材したドキュメンタリー番組で、人形爆弾により全身大やけどを負った子どもが薬品もなくただ水洗いするしかないという場面を観た。激痛に絶叫し、のたうちまわる子どもと、我が子のそばで立ち尽くすしかない父親の形容しようのない表情はこれまで観たあらゆる映像の中で最も怖ろしいものだったと今も思う。カナダの撤去チームがあまりの酷さに諦めて帰ったという無数無秩序に仕掛けられた農地の地雷は、レポートから20年近く経ちタリバン政権が消えた今でも農民や子どもの手足を吹き飛ばしているんだろう。
そもそもタリバンとは大国の利権争いが生み出したものであり、俺らはたまたま大国に媚び続ける日本に生まれただけとも言える。この映画はそんな俺らの心地よい生活とは関係ないようだけど現にある世界への、この心優しい監督らしい詩情と祈りの爆弾が炸裂しまくった傑作だ。
アフガン周辺の砂漠を飛ぶ飛行機から、義足が括り付けられた無数のパラシュートが落下する。シュルレアリスム映画の一場面のようだが、テントから地雷で足を吹き飛ばされた男たちが松葉杖で必死に走り寄る。

次の日食に自殺すると告げてきた妹のもとへ急ぐ女性が目にする
アフガンの貧窮、差別。

詩的な映像が捉える人の浅ましさ。
敵を憎め、殺せと暗唱させる教師。
遺体から盗んだ指輪を執拗に売りつける子供。
嘘を並べ立てて義足を持ち去る疵面の男。
女性の顔を覆うグルカが本当に隠しているのは、荒廃した人心ではないだろうか。
色鮮やかなグルカからは狭く小さな視野しか与えようとせず、
命に等しく価値を見出せない
見捨てられた土地で
居場所を見失った元兵士のアメリカ人が残り続ける理由。

イルマス・ギュネイ「路」、
マルジャン・サトラピ「ペルセポリス」、
そして本作に出会えたことを感謝する。
マフマルバフの著書にはこう書かれている。
「もしも過去の25年間、権力が人びとの頭上に降らせていたのがミサイルではなく書物であったなら
無知や部族主義やテロリズムがこの地にはびこる余地はなかったでしょう」

日食が終わっても、この物語は終わらないのだろう。今も。
K2

K2の感想・評価

4.2
ブルカを被っていてもその下は綺麗に着飾っている。もしかしたら男の人かもしれないし地雷で手足が無いかもしれない。

様々なブルカをまとったかのようなアフガン社会の現状をのぞくどこかクセになる雰囲気の作品。

好きな台詞が沢山。
ぶぶこ

ぶぶこの感想・評価

5.0
イランのモフセン・マフマルバフ監督のアフガンを舞台にした映画です。ニュースでも何回か取り上げられたので、ご存じの方も多いと思います。
ストーリーは、今はカナダに亡命しているアフガン出身の女性が、一人アフガニスタンの街カンダハールに残された妹(地雷で足を失っているという設定です)から「私はもうこの社会に絶望したので自殺する」という手紙を受け取り、妹を救うべくカンダハールに侵入を試みる、というものです。その主人公ナファス(現地語で「呼吸」という意味だそうです)はそのカンダハールへの道程で様々な人に出会います。国連職員、難民キャンプ、強盗、マドラサ(イスラーム神学校)を放校になった少年、アメリカ生まれのムスリムで、アフガンに志願兵としてきた経歴を持っている黒人(この人が過去に本当に暗殺事件を起こしたらしいということで、話題になりました)、もらった義足を売り飛ばそうとする小ずるい男・・・。彼女はこれらの殆どをブルカ(頭からすっぽりとかぶるアフガンのベール)越しに見ることになります。そして、アフガンはいわば「何重ものブルカ」をかぶらされた社会であることを知っていきます。
最初は「彼女はいつカンダハールに着くことが出来るのか、妹を助けられるのか」という方に興味が向くのですが、次第に物語はそちらには興味を無くし、彼女が道ばたで会う無数の人、色とりどりのブルカに包まれた女たちに興味を移してしまい、最後はある意味で驚く終わり方をします(ここで喋るとネタばらしになるので書きません)。
でも、それは後で考えると当然と思うようになりました。主人公がカンダハールに着いて妹と再会できたとしても、そこから国外に逃げるのは殆ど絶望的でしょう。「スパイ大作戦」をマフマルバフは描きたかったのではないでしょうから。
それよりも彼が描きたかったのは、やはり「ブルカ」の象徴される「閉塞感」だと思います。主演女優が言っているのですが、「ブルカは偽りの安心感を与える」と鋭い指摘をしています。ブルカをかぶれば、男の(好色な)視線を気にしなくても良いわけですから、ある意味で安心です。これは、18世紀初頭にイスタンブルに滞在したヨーロッパ女性が「ヴェールは匿名性の自由を与える」と言ったことを彷彿とさせます。でも、その安心感はやはり偽りに過ぎないのです。そして悲惨なことに、この「偽り」にすがらなければアフガン女性は生きていけないのです。
マフマルバフ監督は、世界がタリバン支配下のアフガニスタンに注目するきっかけとなったバーミヤンの石仏破壊についてこのように語ります。彼の著書『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない、恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』(現代企画室、2001)から引用します。何度読んでも、彼の詩的表現にはうならされます。

「ついに私は、仏像は、誰が破壊したのでもないという結論に達した。仏像は、恥辱のために崩れ落ちたのだ。アフガニスタンの虐げられた人々に対し世界がここまで無関心であることを恥じ、自らの偉大さなど何の足しにもならないと知って砕けたのだ」

彼のこの逆説的な表現の前に、我々は恥じ入らざるをえないだろうと思います。
 「世界のどこよりも神の名が語られるというのに、神にさえ見放されているかのよう」(マフマルバフ)なアフガニスタンを描いたこの映画、やはり一見の価値有りです。
Walter

Walterの感想・評価

3.0
主人公が実際の亡命者で女性差別や地雷問題などアフガンのリアルな現実を考えさせられる内容。映画としてよりドキュメンタリー色が強い
あーや

あーやの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

パラシュートを付けた義足が青い空から降ってくる。落ちてくる義足を追って一目散に走ってくるのは、足を無くした人たち。創られた映像とは言え何とも異様な世界です。モフセン・マフマルバフ監督作品「カンダハール」
カナダに住むアフガニスタン人女性のナファスが「日食の日に自殺をする」と手紙を送ってきた妹を救うため、彼女のいるカンダハールへ旅をするという話。
背景に不思議な音楽が流れる旅の道中、ナファスは様々な人たちに出会う。強かに浅はかに今日を生き延びようとする、同情は出来ないけれど責めることも出来ない人たち・・・。
盗賊に襲われて妻達子供達から金品を奪われても祈るばかりで何もしない父親。彼は「慈悲深いアッラーに感謝しよう」と何度も繰り返している。小さい子供たちが集まる神学校では全員が胡座をかき、身体を前後に揺らしながらコーランを音読している。時折教師が「剣とは?」「カラシニコフとは?」と子供たちに質問して答えを暗唱させる。悪と戦う術のみを子供たちに刷り込んでいるこの場所にアッラーは不在のようです。
女性たちは皆頭の先から足の先までブルカで覆い、井戸水で洗濯をしている。ただブルカの下はブレスレットをジャラジャラ身につけ、口紅やマニキュア等の化粧もバッチリだ。目元が大きめのメッシュになっている以外どこも露出していないブルカに全く馴染みのない日本人にとっては奇妙な格好です。
まだまだ他にも。医師団にしつこく義足をせがんで手に入れた片手の無い男は義足を転売しようとし、ガイド役を買って出た男の子は砂漠で見つけた白骨死体から指輪を奪いナファスへ「1ドルで買って!」とせがむ。
この地域の人たちが生きるためどれだけ人を騙して日常を必死に生きているのかが分かります。そこら辺に地雷が埋まっていて、いつ手足のみならず命を失うかわからないような場所で生きているのですから平和な国で暮らす私たちの常識なんて通じないですよね。。
印象に残ったのはやはりラスト。タリバンに見つかったナファスの旅は終わってしまうのか?ナファスは無事妹のもとにたどり着けるのか?何もわからない。ただブルカの下から落日を見つめるだけ。結末を描かないからこそ今もアフガニスタンの内戦は続いているような気持ちにさせられる。映画の中でナファスの旅が終わらないように、現実でこの内戦には終わりがない。本作は旅がテーマのロードムービーではなく、アフガニスタンの現実とアフガニスタンでの人々の生き方を映している。結末のないラストはつまり、アフガニスタンという国が選んでいくであろう未来が重なっているのでしょうか。そこにはアフガニスタンで生きる人たちの「希望」が含まれていると信じたい。
ロラン

ロランの感想・評価

2.5
初めて観たマフマルバフの映画だけど、退屈だった記憶しかない。その後観た『パンと植木鉢』や『スクリーム・オブ・アント』は好き。
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