こんなに優しいラストだったっけ?
当時観ていたが、もっと冷たく悲しい印象だけ残っていたから、覚悟してたけど、、
最近、1980ー2000年位の映画のリバイバルが続いてるが、つくづくいい映画ばかり、思う。
今ほど洗練ささていないし、荒々しいところもあるし、ドラマティックになりすぎのとこもある。でも今観るとそれがかえっていい。
これも沁みた。
マイケルナイマンのピアノ曲が
クラシカルな世界に響く、こころが震える。
浜辺で初めてピアノを弾くシーン、娘がそれに合わせて踊るとこ好き。
ホリーハンターは娘以外には心を閉ざしている。強い意志を持って周りに同調しない。
ピアノと娘の世界に生きていて、他人はそこには入れない。結婚した夫でさえ。
でも、ハーヴェイカイテルがその心を溶かす。
あんなにも1人の人を愛し尽くすってすごいな。
ピアノ命だったのが、ハーヴェイカイテルの方が大事になった。
夫は悪人じゃなかったので不憫だが、、
2人の事を知って怒り狂いホリーハンターの大事なピアノを弾く指を斧で断ち切ってしまうが、最後には2人を旅立たせる。
2人の逢瀬に憤慨しつつ、覗き見して欲情してる。自分には絶対見せないホリーの生々しい体と表情を見て。
ホリーハンターが、目だけで、感情を教えてくれた。
講義する目、愛する目、拒絶する目、悲しくて思いを伝える目。
言葉がないからこそ、感情の繊細な動きが際立つ。
ハーヴェイカイテルは野生的で粗野な雰囲気から想像できないほど、こころ優しく繊細な心を持っていて、そのナイーブさが良かったな。
気になったこと
・全体的に、原住民の描き方がやや嘘ぽい。多分現地の人たちが見たら違う!って言いそう。昔、アフリカ系の人を一律に陽気でちょっとおっちょこちょいな感じにしていたのを思い出した。
・やっぱり雰囲気を重視してるから、人をそこまで深く掘り下げていなくて、割とサラッと流してる
。
でも見せたいものがそこじゃなかっただけだっていうのはわかってる。