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ワッツ・インサイドの熊犬のレビュー・感想・評価

ワッツ・インサイド(2024年製作の映画)
4.0
【保険の一つも打たない無責任さが悪い気もするが…】

原題 It's what's inside

学生時代に仲が良かったメンバーのうち一人が結婚するという事で、挙式前夜に集まる事にしたある8人グループ。
学校を中退してしまい、長らく疎遠だったゲーム好きのフォーブスが持ってきたのは、現在彼が開発中の「人格入れ替え」を行う機械。その装置は人間の中身を入れ替える驚異的な装置…その不思議な感覚に取りつかれたように遊ぶ面々だが、徐々にメンバーの内面にある様々な問題が浮き彫りになっていき、そして事件へと発展していく…
…な映画。

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面白い!
設定もさることながら、そこからの発展が凄く良い。
序盤は話のセットアップというか、各キャラクターの人となりの説明や(ここでちゃんと集中しないと後でキツい)設定の作り込みパート。
正直序盤はちょっとスピード感が早いのと、キャラクターの癖が強いのとで、映画自体が多少"うるさい"感じになってる。でも映像のおしゃれさとかテンポの良さで引き込まれて、その後の展開に期待が高まる。
中盤、一気に話が動くポイントがあるんだけど。思わず「おおっ」と声出してしまった。こっからはもう、最後まで一気に走り抜ける感じ。

人数も8人、もちろん中身も8人。
それがぐちゃぐちゃに入れ替わるからかなりややこしい映画なんだけど、ちゃんと頭の中で整理しながら観ていると物凄く面白い。

あ~、こいつはあいつだから?そうか、それはそうなるよね。あ~、それはいかん、困ったね…

みたいな感じでどうしても理解するのにワンテンポかかるけど、その混乱具合も含めて映画の雰囲気にあっていて、違和感なく観れた。とても面白い。

中身が入れ替わった演技に関してなんだけど、フォーブス役の人上手いな~!登場時と入れ替わった時で、本当に違う人に見えるくらい表情変わる。

■本日のビール『Foggy Window (Freaky Friday Edition)』
醸造所: Monkish (アメリカ / カリフォルニア) & Omnipollo (スウェーデン)

ビール業界の大物たちがたまに行っている遊びに"Freaky Friday"というものがある。ある醸造所の代表作的なビールのレシピで、別の醸造所が醸造するという趣旨の企画。
基本的には遊びの企画なのですが、いかんせん大物醸造所がやらないと面白くならないので、参加する醸造所は毎度大物。
そして熱狂的なファンを多数持つモンキッシュ醸造所が、スウェーデンで最も有名な醸造所オムニポロ醸造所の代表作を作った、フォギーウィンドウ!
Freaky Fridayはアメリカの児童書で『親子の中身が入れ替わる』みたいな話から由来。今回の映画ともぴったりなビールで。
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