らんらん

ジェヴォーダンの獣 ディレクターズ・カットのらんらんのレビュー・感想・評価

5.0
な、何なんだ…この映画は…。凄すぎる。

1764年にフランス・ジェヴォーダン地方に突如現れた「獣」。
摩訶不思議な実際の事件を元にしたアクション・ミステリー・サスペンス・ヒューマン・恋愛・ホラー・歴史・社会派・ファンタジー…あと何があるっけ映画。

とにかく全部盛りだし、アクが強いのに変に美しかったりB級演出モリモリなのにぎりぎりのところで胸を張り爽やかな微笑みを保っている。。。

今さらだけど、2020年にジェームズ・ガン監督がツイートした「自宅待機中に観るべき最上級のアクション映画リスト」、54作品の最後に何食わぬ顔でリストアップされていた本作(多分順番は関係ないと思います)。ちなみにリストはこちらで確認出来ます↓
https://eiga.com/news/20200422/7/

ディレクターズ・カット&リマスターされて上映、これは行かないととよく分からないまま観に行ったけど、150分の全部盛りに圧倒された、というかもうちょっとこんな映画観たことがない。

書き忘れたけど、クリストフ・ガンズ監督、2001年。

監督、何なんですかこの圧倒的な熱量…。18世紀フランスの田舎の禍々しさ、ちょっとマッドマックス味もあるしね。。ラストもこてこてなのに何故か爽やかな気持ちで「いいものみたな~」となっている。。
何も言えねぇ。神々の遊び。

個人的にはジャン=フランソワ・ステヴナン御大のお姿が拝めたのも最高だった。ブコウスキーへの偏愛からあなたに注目したものの、2021年の『幻滅』が遺作となったという悲しい知らせも知らずにいたけど、今作ではやっぱり癖強のキモおじさん神父という、あなたでなければ演じられない頑なさと悲しみをスクリーンに見ることが出来ました。ありがとう。
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