このレビューはネタバレを含みます
原作未読。
原作では主人公が男女で逆ということで、読んでみたい。
最初はこの設定だと暑苦しいだけの恋愛映画に終始してしまうのではと危惧していたが、ファンタジーな"現象"のネタバラシとしてある視点を用意することで、松居大悟近作の『ちょっと思い出しただけ』に通ずるような、あの時の恋愛の酸いも甘いも思い出すことの重要性はもちろん、というよりもはや失恋にどう向き合っていくのかにすら触れていく巧みさに驚かされた。
もちろん"好き"を否定しないことは大前提として勢いが有り余った青春感も忘れていない。
男女の友情もしっかりと描かれるというのが今回設定を変更した意味にも繋がっているような気がしていて様々な部分で円熟味が増していった印象。
松居大悟の次回作も非常に楽しみ。
［2024年 95本目］
