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オーメン:ザ・ファーストのMALPASOのレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
3.4
映画『オーメン:ザ・ファースト』

超名作の前日談。しかし、これまで基を超える作品に出会ったことがないので、期待薄で観たら、かなり面白かった。

舞台は1971年のローマ。主人公マーガレットは田舎から出てきて、カトリック教会で働き始める。
イタリアは学生運動、左翼運動が盛んな時代。
いけない同僚に誘われて、ハリウッドてセレブのレッド・カーペット御用達のようなセクシー衣装に身を包みワンナイト・ラブ。
教会には気の狂ったシスター、お仕置き部屋があり、謎の連続死が発生!

ダミアン誕生を描いた物語だけど、なんだかこれまでの定義が曖昧になっているのが気になる。
名作1作目のダミアンは山犬の子で、母親の墓にも犬の骨がある。
今回は関係ない話かと思っていたら、グレゴリー・ペックの写真が出てくる。

知っておきたいのは、手下に悪い事をさせるのが「悪魔」、ホラーでなんやら襲ってくるのは大概手下。

70年代のローマがよく再現されている。悪魔を誕生させる事で、キリスト教信者を増やそうとするとんでもない理論の教会。

怪物的なのが時折姿を見せたり、結構グロかったりするのが、最近よくあるホラー演出はなくてもよかった。

オリジナル1作目は何が素晴らしいか?
監督は名匠リチャード・ドナー。作品に必ず飛び降りるか、落ちるシーンがある。主演も名優グレゴリー・ペック。何よりダミアン役の子役が上手いし、顔が悪魔の子の様。そこに当時の世界や社会批判を盛り込んでいる。極力特撮やメイクで恐怖を演出せず、突然襲う悍ましいシーンを音楽で盛り上げる。
音楽は名作曲家ジェリー・ゴールドスミス。悪魔側からのアプローチの不気味な悪魔崇拝混成合唱の讃美歌。
印象に残ったセリフは、大使が我が子が悪魔だと受け入れて言う、「そういえば風邪も引かないな」。
シャマランの『アンブレイカブル』でも主人公が特殊能力に気づいて同様のセリフを言う。「風邪も引かないですよ」と言っている人がいたら要注意!
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