TaiRa

骨のTaiRaのレビュー・感想・評価

(1997年製作の映画)
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ガチガチに決まった画が連続しててスゲえと思った。話は『ある子供』みたい。こっちが先だけど。

台詞も全然ないし俳優も演技しないので基本的にミニマルなんだが、画面が饒舌というかよく語ってくる。あらすじも知らずに観たから最初は何のこっちゃだったけど。現在の陰影バキバキスタイルの片鱗はこの時点であった。寝室で寝てる旦那を無理矢理引き摺り出し、リビングで強制的に子供含めた家族のスリーショットを作ろうとする場面はウケた。ズバリこの映画のストーリーが象徴された動きだった。旦那が子供をゴミ袋に入れて街を歩く横移動ショットは、背景を通り過ぎて行く扉がカラフルに塗られていて、さながら貧困街のジャック・ドゥミって感じ。画面に関しては、レイヤーの作り方というか奥行きの使い方が上手い。扉や窓越しに撮るショットが多く、除き見る感じ。小津っぽい。最終的にハードボイルドなシスターフッドものに着地するのがイケてた。俳優の顔が基本的に濃い。
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