確かに映像は素晴らしい。しかし、まだこの映画をどのように受け取ればよいのか掴みかねている。スラムに暮らす極貧の人々のどうしようもない日常を取り上げながら、安易な憐憫や情緒に寄りかかることなく、ただ人…
>>続きを読む『ヴァンダの部屋』まで行くとちょっとやりすぎだと思ってしまうのだが、この映画はものすごくちょうど良かった。なんというか、ここまで完成されていると言葉を失う。「美しい」とか「面白い」とか、そういうのを…
>>続きを読む初めは人の見わけもつかず話がよくわからず、雰囲気を味わう作品だと思いながら見ていた。しかし途中から登場人物の見分けがつくようになり立ち位置も分かるようになってくると、がぜん面白くなった。
雰囲気は…
長回し、そして台詞がほとんどない。
まったく整備されてない道や当たり前のような壁の落書き、大量のビニール袋を抱える少年など、リアルなスラム街の中の登場人物たちが、まさにその一片にすぎないというのが…
被写界深度浅めでコントラスト重視で撮影しながらも、作風はセリフを削ぎ落とし、ドキュメンタリータッチで描く、コスタ第三形態というところでしょうか。まとわりつくような重い空気感をのぞき込むスタイルとなっ…
>>続きを読むそれは昔のスラムの日常かもしれず、未来への希望かもしれない。映像は曖昧さを抱えながら、純粋でありながら冷たいリアリティを伝える。
特に長回しのパンショット、静止画のように留まる顔、沈黙や生活音が積み…