「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」 TOHOシネマズ日本橋。監督はフェリックス・チョン。
トニー・レオンとアンディ・ラウが「インファナル・アフェア」シリーズ以来、約20年ぶりの共演作。期待以上ではなかったが、80年代香港🇭🇰の狂熱感を象徴的に描いており好感。
特筆すべきは、トニー・レオンが従来のグリッドから外れた演技を魅せているのが楽しい。(全てのファッションが似合ってるかは別の話…)
ある時は旅行添乗員だったり、イメルダ夫人に靴を履かせる靴屋店員だったり、戦地で銃弾から逃げながら助けられてバズーカーで撃墜したり(笑)、過去に経験しなかった演技に笑ってしまった。全て側近たちが作った大袈裟な吹聴武勇伝を映像化したものだが…。
劇中で流れるBOYS TOWN GANGの82年のヒットカバー「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)」っていうのは、汚職対策独立委員会(ICAC)捜査官役のアンディ・ラウからチン(トニー・レオン)への「執着」という意味で使用した楽曲と解せる。15年間もの間、粘り強く捜査するという執着(愛情?)を音楽で表現したもの。
編集が拙いのか、ストーリーのテンポが悪いのか126分とは思えぬほど長く感じた。
最終的にトニー・レオン演じるチン側の勝訴というのはスッキリしないが、後半の船舶爆破事故、殺人、若手の自首出頭、等々はチン側が全てを仕組んだという訳ではないと思う。神の見えざる手というか、命令せずに側近者たちが自主的に行動してチンを守ろうとしたものだろうか?
(備忘録)
何度か宿泊した事があるペニンシュラホテルで撮影されているのは個人的にうれしいかった。終盤、トニー・レオンとアンディ・ラウが朝食を食べる白い内装の部屋もペニンシュラのスイートなのは間違いない。調度品、食器類からも判断できた。