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殺人鬼の存在証明のCatValentineのレビュー・感想・評価

殺人鬼の存在証明(2021年製作の映画)
4.3
面接ならぬ、圧迫捜査はやめなさい やめなさい👨🏼‍🦳

時系列は1991年を現代(起点)として過去10年を行き来するストーリー。
年代のフォントが好みすぎて開始早々好きだった(単純)。
6章に分かれており、次章への転換が万華鏡を覗いたような切り替わりでとても素敵。

この映画の良さにまず脚本の精巧さがある。
大量殺人鬼の普通じゃありえない世界を描いているようでなぜか凄く身近にも感じられる。また殺人鬼と対立した立場でいなければならないはずの警察すら気狂いしていて面白い。
上層部と対立したイッチが犯人を捕まえる為に操作するんじゃなくて罪を負う人を探す方に闇落ちするのは核心。

取り調べの拷問は胸糞で体調悪くなりそう。だけどそれがいい。人間の本性剥き出しの瀬戸際での行動が無様に散っていて良い。
色んな拷問シーンあったけど、ビニール袋の窒息で吐血してるのとワリタが割れたビン達に頭ぶつけに行ったの普通にトラウマ。

グロテスクなシーンが多いがどこか芸術的で、脚本はもちろんのこと視覚的にも惹き込まれるいい作品だった。

残念なのは少々長いこと。想像してないラストですっきりと終わったので、時間がもう少し短かったら集中力がもっとあった状態で見れただろう。
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