2025.04.10
染谷将太主演作品。
予告編からすると映画館が舞台の映画好きにとっては好き要素モリモリって感じですが、果たして。
1927年、活動写真に魅了された二人の若者、サネオとハジメは、“明日”を夢見て青森から上京。
吉祥寺初の映画館“井の頭会館”の社長に拾われ、働き始める二人。
時代の流れに翻弄されながら、一瞬を永遠に引き延ばす映画を、人々に届け続けていく。
はぇ〜これが日本版『ニュー・シネマ・パラダイス』ッてやつか!言い過ぎか
ビデオの普及、故郷への帰還からノスタルジーを放った本家に比べると、今作は20世紀初頭、まだ映画から音声が出ていなかった時代から、戦争を経て、映画やそれ以外の娯楽が人々に対して、憩いや公共の場、そして扇動のために使われてきた歴史を描いており、かつて実在した映画館の話ということもあり、伝記やドキュメンタリーのような作品でした。
ちょっと終盤の展開が作品やストーリーに必須のものというより製作陣のお遊び的な要素のように感じてしまったものの、作中で言及されていた映画に対する解釈は結構好きですね。
スクリーンという“窓”を通して、人々の普通の生活に気付きや刺激を与え、一瞬の出来事に光を当てて永遠のもののように感じさせる。
こういう作品を観るとなんて素敵な文化なんだと感じますね。
戦時中には政治的な目的で使われていたという悲惨な歴史も持っていますが、それでもなお今日に映画文化が残って輝き続けているというのは、先人たちが映画に壮大な“夢”を抱いて、守り続けてきたからこそのもの。
もちろん、現代に観る人だけでなく作る人が居続けているからこそのものですが、たまにはノスタルジックでなくても映画の歴史に触れるのも悪くはない映画体験。