ポルりん

大日本人のポルりんのレビュー・感想・評価

大日本人(2007年製作の映画)
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ダウンタウンの松本人志が企画・監督・主演を務めた、松本初の長編映画。

あらすじ

ひとりのうらぶれた男(松本人志)がインタビューを受けている。
都内の一軒家で野良猫と暮らすその男は、「大佐藤大(だいさとうまさる)」という名前だった。


今まで色々な映画を鑑賞してきたが、どんなクソでチープな作品であっても何かしら感じるものや思う事があったのだが、本作は何一つ感じる事がない。
完全な無である。
もう作品が面白い面白くない以前の問題だ。

鑑賞中に何一つ感じなかったのは本作とエド・ウッド監督の「プラン9・フロム・アウター・スペース」くらいだと思う。
ただ、エド・ウッド監督は実力がないものの映画に対する強い思いや情熱は人一倍あるのに対し、松本人志は実力がなく映画に対する強い思いや情熱も全く感じらない。
更にエド・ウッド監督は史上最低の監督といった不名誉な評価を受け止めているのに対し、松本人志は色々と逃げ道を残している。

私は映画館で鑑賞する際、どんなクソ映画でも制作した方々に敬意をこめて必ずエンドロールまで観るようにしている。
だが、本作にはそういった感情が全く生まれなかったので、エンドロール最中に退席してしまった。
映画を好きになってから、途中で退席したのは本作と実写版「デビルマン」くらいだろうか・・・。
まあ、実写版「デビルマン」はゴミ過ぎて1時間くらいで途中退席したのだが・・・。

いきなり2時間近い長編映画を撮るのではなく、まずは10分くらいの短編映画と撮った方が良かったんじゃないか・・・。
何となく伏線とかの構成的な笑いって苦手だろうし、そっちの方が全然合ってると思う。

実際、松本人志が原作・監督を務めた短編アニメ「きょうふのキョーちゃん」はブラックユーモアを非常に上手く使い面白い作品に仕上げている。
喧嘩を売りにくい人(北島三郎や田原総一朗)に誹謗中傷を浴びせ、「ハッピーツリーフレンズ」並みの残虐の限りをつくす。
当時は腹を抱えて笑ったし、松本人志が好きになったきっかにもなった。
もちろん、今観ても全然面白い。

本作を10分程度でまとめたら何かしら感じる事があったと思うし、ここまで酷評されることはなかっただろう・・・。
いや、もしかしたらかなりの傑作になっていたのかもしれない。
ポルりん

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