Jun潤

Back to Black エイミーのすべてのJun潤のレビュー・感想・評価

3.7
2024.12.07

(多分)劇場で見つけた作品。

2008年のグラミー賞にて、主要4部門を含む6部門でノミネート、5部門を受賞したアーティスト、エイミー・ワインハウス。
2011年、27歳の若さで死去した彼女の人生は、歌に彩られた華やかなものだけでなく、スキャンダル、薬やアルコールへの依存、そして激しい愛情など、波乱に満ち溢れていた。

事前情報を全く入れずの鑑賞だったのでまずアーティストが題材だったことすら知りませんでした。
あと洋楽には疎いものでエイミー・ワインハウスのことも、彼女の楽曲や人生についても全然分からないままだったので、これでもしエイミーについてよく知っていたら、よく知っている人の半生を映像化したものだったらと考えると、100%楽しめたとは言えないのが悔しい限りです。
しかしそんな状態で観ても楽しめるというか、日本のものとはまた違う海外の芸能界事情やスキャンダル、ドラッグ依存の恐ろしさ、アーティストとして活動し続ける情熱についてが伝わってくる内容だったと思います。

今作はなんといっても楽曲ですかね。
原曲については上述の通り全然知らず、最後に歌っていた曲のフレーズだけどこかで聞いたことがあるような…なレベルでしたが、その分、今作でエイミーを演じたマリサ・エイブラの表現力に惹き込まれましたね。

エイミーについては、鑑賞後に軽く調べた感じ大体は事実に即して描かれていたみたいですが、序盤の男を取っ替え引っ替えしてはその男たちについての曲を歌って支持を得ていく様子から、単に売れればいいのではなく、全米ツアーを成し遂げるためにステージ演出ではなく創作活動にこだわろうとしている姿まで、アーティストとはいえなんだか等身大の人間的魅力を放つ人物のように感じました。
そして様々な意味で運命の相手となったブレイクとの出会いから、彼との関係にどっぷりとハマっていき、なんの因果か創作にも力が入っていくエイミー。
このあたりについてはエイミーのその後に何が起こるのかを全然知らない状態で観ていたので、自分が現在の状態に依存しているということに自分で気付いてすらいない状態のエイミーに近い心境で鑑賞できた気がします。
しかしまぁ海外の芸能系の伝記ものあるあるなドラッグとパパラッチというのは、もしかしたら日本の芸能界にも常にある問題で、それが取り沙汰されていないだけかもしれませんが、その実態についてドラマ作品とはいえ描かれているのを観ると、やりすぎじゃないかと思う自分と、芸能人のプライベートな部分や薬に頼らないと渡っていけない芸能界の闇を垣間見てみたいと思う自分もいて、こういう輩や現実に追いやられてみるみるやつれていくエイミーの姿も、現実に近いのかと悲しくなる反面、それでも活動を続けることに対してスゴいと感じもしますね……。
Jun潤

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