2時間の映画を10分に編集してあらすじをネタバレ込みで語るファスト映画たるものがあるらしく、youtubeで膨大な再生回数を誇っているらしい。実は実験映画の世界では、一つの映画を解体して再構築するジャンルがある。当ブログで紹介した『The Green Fog』は、いろんなサンフランシスコを舞台とする映画のフッテージを寄せ集めてアルフレッド・ヒッチコックの『めまい』をサイレント映画としてリメイクしようとした。パールフィ・ジョルジュの『ファイナル・カット』では、映画のフッテージを並べて映画的動作の波を生み出した独特な作品であった。『叫んでいるなどとは思わないでください』では膨大な謎映画のフッテージに淡々としたナレーションを付加することで、映画を無機質な情報として過剰摂取する状況の虚無さを捉えていた。
ではマイケル・スノウが自身の代表作である『波長』を30年以上の時を超えて再構築した『WVLNT (“Wavelength For Those Who Don’t Have the Time”)』はどうだろうか?私は密林へ足を踏み入れました。