masat

No.10のmasatのレビュー・感想・評価

No.10(2021年製作の映画)
3.5
『“それ”がいる森』(22)と言う日本映画をご存知だろうか?
もう時効だから言ってしまうが、心霊モノに見えて、オカルトなのかよ!?と言うトンデモ展開ながら、目を覆う空回りっぷりな愚作で、当時、“本気でやってらっしゃらないですよね?”と思ったものだ。

さて、本作、このテーマを本気でやるとなると、こうなる!と言う見本と言おうか。
改めて、日本映画が、まったくもって“島国根性”な鎖国映画から脱していない、と痛感する。ジャンル映画がド下手で、外連味のカケラもないのだから。

本作は、“その果て”に、宗教までも捨ててしまえ!(クロンボまでも!?)と言うとんでもない展開が待っており、“アス”及び“メッセージ”も真っ青な、ザ・人類!的なテーマを笑い飛ばしてくれる。

正直、中盤までは、狙いがさっぱり解らず、意味不明過ぎて、ついて行けなかった。
だからと言って、後半、それら伏線らしきものが効く訳もなく、回収される訳でもない。それでも!ある“納得感”を持って、放り投げられてしまうのであった。

あの傑作カルト『ドレス』(96)から、30年くらい経つだろうか?
天才にはなれないオランダの奇人アレックスの、現在の“異様さ”を思い知った。
(願わくば“ドレス”の様なオッ勃つエロが充満してくれていたら・・・)

最近珍しく、続編を熱望、したい。
だって、モノリスが到着する“国”がどこで、その国が、今の人類と同じ様に、穢れて行く様を観たい、からだ・・・

以上、ネタバレはしていない、はず。
百聞は一見に如かず、なる名編。
masat

masat