雄貴AUE

凶気の桜の雄貴AUEのレビュー・感想・評価

凶気の桜(2002年製作の映画)
4.5
もう5回目?6回目?7?何回見たかわからないけど、何を隠そうもう15年以上前の中2の秋、兄の影響でこの映画を見た僕は翌日ジーンズメイトに走り上下白のスウェットを買って、キングギドラとK DUB SHINEにどハマりし日本語ラップの道を歩み出す訳なので、ある意味自分にとってマジでルーツ的な映画。
久しぶりに見たので初めてちゃんとレビューを書いてみる。

冒頭から基本何の説明もなく『奪還』『矯正』『排泄』のシーンと『消し屋』のカットから始まり、山口は日本がどうとかバビロンがどうとか言ってるしそれだけでもインパクト充分ですよね。かっこいいし。

そんな暴力的な導入から、濃密な中盤と切ない後半。

若者ならではの鬱屈とした行き場のなさ、怒り、憤り、苛立ち。その行き場として愛国やイデオロギーに傾倒しナショナリストと嘯く。誰にも飼われねえと思ってるのに、それでも大人たちの大きな力に飲み込まれていく様。
でもそれは山口たちだけじゃない。戦中戦後を生き抜いてきた本物のナショナリストも、より大きな時代のうねりの中で散っていく。
変わんねえのは桜だけじゃねえのか。。。


ブチブチにキレてる頃の窪塚も、現役バリバリのトリッキーな須藤元気も江口洋介も、ハイパーカッコよくて大好き。
いつまでも見続けたい作品。
雄貴AUE

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