このレビューはネタバレを含みます
こりゃ宣伝しない作戦というより、宣伝すべき文句がないから宣伝できんわ、という誰かのレビューを見て納得。
まんま宮崎駿の頭ん中を掻き出したみたいな映画。だからこそまるっきり濃密な『ジブリ映画』でもあるけど、お腹いっぱいってかんじ。
戦後の風景、草原、海、自然、無機質な建造物、大量の動物、黒いドゥルドゥル、星空、よぼよぼのおばぁ、優しく包み込む母、男勝りの頼れる女性、剥き出しの父性、育つ少年。
『どこかで見た』ようなジブリが全部詰まっていて、ああそれはここから全て出てきたんだ、みたいな。
かと言ってとても古めかしく難解なメッセージがあるのかというと別にそうでもない気がする。
勿論受け取り手の技量の試される細かいニュアンスはたくさんあるのだろうが、結局は終盤シーンに表される『老獪な紳士が悪意に染った石で作った積木はもう崩壊寸前である』『君はこの悪意に染っていない新たな石で積木をどう組むのか』という点がこの映画の掲げたテーマであると受け取った。
まさに『君たちはどう生きるか』まんま。
なんか大人向けの絵本みたいだなぁと思った映画でした。
あと決してディスではないんだけど、宮崎駿って絶対マザコンだよね。