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グローリア!のbirichinaのレビュー・感想・評価

グローリア!(2024年製作の映画)
3.0
ミュージカルっぽい冒頭に期待させられたが、後半に向かうにしたがい並みの作品になっていって残念。
1800年代にヴェネト州にあった女子孤児院には孤児たちによる音楽隊があって教会のミサなどで演奏していたという史実を元にした作品。新教皇のヴェネチア来訪を祝う儀式(音楽会?)で彼女たちが演奏することになり、でも楽団長がスランプで新曲が仕上がらずetc.と展開していく。
孤児の女子たちによる音楽隊という題材はオリジナリティがあってよかった。ただし、脚本と演出のレベルがイマイチ。脚本については、伏線がぼんやりしていて観ていて惹き込まれない。伏線の張り方が弱いので、例えば後半で突然「実は○○は誰々の子ども」とかセリフ1つで片付けられた印象になり、えっ、そうだったんだと呆気に取られた。また、手首を切った娘が数日後にバイオリンを演奏していたり(無理でしょ!)、整合性がとれていない箇所がポロポロとあって、観ていて冷めた。演出については、冒頭の調理などの生活の音が音楽のようになる演出とかどこかで見た感があちこちにあって、そこにさらにオリジナリティを加えていってほしかった。ヒロインとライバル役の娘の心情をもっと巧みに演出できれば、彼女たちがもっと魅力的になったはず。。。と全体的にもう一歩、惜しい!

*楽団長が老ミック・ジャガーのイタリア人版に見えて笑えた◎

*パンフに「ミュージカル」と書いてあったが、ミュージカルっぽいのは冒頭だけでミュージカルではない。音楽がテーマのドラマだ。そのあたりミスリードされると観る側の作品に対する評価に影響するので気をつけていただきたい。

14
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