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トラップのKAKIPのレビュー・感想・評価

トラップ(2024年製作の映画)
3.7
記録用
M・ナイト・シャマラン監督作品。

ある父親と娘が歌手のコンサート会場に来ていたら実は連続殺人犯を捕えるための厳重警備が引かれていて、、。

シャマラン監督らしからぬシャマラン濃度薄めの作品か?と鑑賞したがテーマはここ前々から扱われる「家族」なのだと再認識。
主人公親子の親子愛はどんな人物であろうと事実ではあるが親には子には伝えられない心情や顔があるものだ。

そしていつも通りヒッチコキアンとしての歌手の叔父役としてシャマランの顔見せもあるがそれ以上に主人公級の働きをする歌手がシャマランの次女である点だ。
監督という特権を最大限に使いシンガーソングライターの娘を異様に長い歌唱シーンも使いあわよくば俳優として売り出そうとばかりに出演する。

長女も映画監督としてデビューさせ付きっきりでサポートしていたがこの強い娘への愛がこの本作の全てなのだと察した。
歌手が父への気持ちをファンに曲の合間に話すシーンがあるが自分の娘に自分の書いた父親への語らせると思うとよく考えると面白いのと自省を感じさせた。

そして第三幕で自分の仕事としての裏の顔を隠し接してきたが見透かされていた妻との対決も考えさせる。
明らかに娘への感情とはまた違い夫婦間と親子とは別であるのが生々しく伝わってくる。

全体的にいつもの大風呂敷を広げるタイプに比べてこじんまりとしているがその上中でも二転三転し魅せるのはさすが。
主人公のトラウマといいヒッチコキアンらしい「サイコ」の影響が多々見受けられリスペクトを感じました。
シャマラニストの方々はパンチが弱く感じるかもしれないがこのぐらい抑制が効いてるほうが見やすいのは確かだ。
しかしかと言ってつまらなくはないので私は充分楽しめました。
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