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トラップのohassyのレビュー・感想・評価

トラップ(2024年製作の映画)
3.8
シャマランの最新作は、劇場公開を見逃してしまったことが非常に悔やまれる良作であった。ずっとちゃんと映画館で観てきたのに!

これはいつも言うことだし何度でも言うけれど、シャマランの魅力はシナリオでもなければどんでん返しでもなく、サスペンスを維持する演出力である。
頭から尻尾まで、ずっとドキドキと不安にさせ続けるその手腕は唐代随一と言ってもいい(時々尻尾の方にあんまりアンコが入ってないこともあるけれど、どんな職人でもそういう時はあるものだ)。
サスペンスという意味では、本作はシャマラン作品の中でも頭ひとつ抜けた面白さであろう。
結果、全体的には変な物語になっていたとしても、観ている間ずっとハラハラと宙ぶらりんな気持ちにさせてくれて、いよいよ職人芸が際立っている。

さっき魅力はシナリオでは無いと言ったばかりだけれど、音楽ライブを舞台にオンタイムで展開される流れるような設定説明とキャラクターたちの深掘りは、お見事な作劇でした。

予告や映画紹介のあらすじに載っていることはネタバレとは言わないのかもしれないけれど、可能なら何も知らずに観ていただくのが良いだろう。
エンドクレジットまでそうとは気づかなかったジョシュ・ハートネットの素敵なお父さんっぷりも相まって、第一幕の途中、開始10分くらいの設定説明の段階で僕は大きく意表を突かれ、そこで上がったテンションのまま最後まで物語を楽しむことができた。

現代のヒッチコックとして、今後も小粋なサスペンス作品を量産して欲しい。
次はまたちゃんと映画館に行きます!
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