瀧又麻祐

π〈パイ〉 デジタルリマスターの瀧又麻祐のレビュー・感想・評価

4.5
ダーレン・アロノフスキー監督長編デビュー作ということで。

いやあ…すごかった。めっちゃ圧倒されました。話の展開は正直難解なとこもありましたが、それよりも視覚的、聴覚的な演出がとにかく秀逸でのめり込むことができました。
『レクイエム・フォー・ドリーム』のような、心地いいリズムで薬を摂取したり、短く細かいカットとか、オープニングの電子音楽なんか超かっこいい。敢えてモノクロにしてるのもたまらない。

数字に魅了され、囚われ、徐々に精神的に追い詰められていく男。すべての物事には法則が成り立ち、数式化し予測できると確信しているなかでも、自身の心身の不調だけは唯一予測できない。それはある意味、神に近づけると思った男の妄想なのかもしれない。どこから現実でどこから非現実なのか。鑑賞したあと、意味不明な余韻が残っています。

それにしても、3/14、3.14円周率の日に公開なんて配給さん天才です。ありがとうございます。
瀧又麻祐

瀧又麻祐