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π〈パイ〉 デジタルリマスターのrebのレビュー・感想・評価

3.5
NYのチャイナタウンに住む数学者のマックスは、自作のスーパーコンピューターに向かい、整数論を基に株式市場の予測をしていた。コンピューターが吐き出した“216桁の数字“から“すべての物事には法則がある“という考えに取り憑かれ、研究に没頭するうちに以前から悩んでいた頭痛も悪化し、ついには幻覚を見るようになる。
久しぶりに鑑賞したら、面白いんだけどやっぱ頭痛が‥。
数学的法則によって世界は支配されているというマックスの考えは、めっぽう数字に弱い私からすると、理解の範疇を超えている。しかし、何かに取り憑かれてしまった人間が、あらゆる事をそこに結び付けて考えてしまい、遂には神の領域にまで入ってしまうという恐ろしさはよく分かる。
天才ダーレン・アロノフスキー監督のデビュー作にして自主製作映画で、めちゃくちゃ先進的で尖った本作。
薬を飲むシーンなどは、次回作の「レクイエム ・フォー・ドリーム」に繋がる所も多い。
本作は1998年のサンダンス映画祭で最優秀監督賞をとったのだが、監督は1996年のサンダンスで観た塚本晋也監督の「TOKYO FIST/東京フィスト」がきっかけとなって生まれたと語っている。
本作で出てきたフィボナッチ数列で思い出すのは、なんと言ってもトリアー監督の「ニンフォマニアック」である。
前3回➕後ろ5回のジョーの初体験は、無駄に物知りなセリグマンの考察で、フィボナッチ数列だとのいささか強引なこじつけ論があった。
フィボナッチ数列は、花びらの数やひまわりの種という美しい螺旋形状など、自然界の現象に数多く出現するらしい。
なので、自然を愛するジョーが3➕5を機に性にのめり込んでいった事を考えると、あながち間違った話ではないのかも⁇
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