異常な早さで死刑が執行された飯塚事件の真相を追うドキュメンタリー。より多くの人に観てもらいたいので★5。
警察、弁護士、記者、親族で話が食い違う、まさに『藪の中』の様相。けど、途中で弁護士の先生が言ってた通り、藪の中の事実は被告人の有利に働くはずなんですよね…しかし、死刑事件は必然的にホシを挙げることに心血が注がれるから、その分冤罪も増えてしまうのではと思いました。そもそも、藪の中といえど、親分気質の警察幹部や競争を最優先した記者たちを見ていると、冤罪を生む土壌は整っていたように思えます。本作を観ると、やはり死刑は廃止されるべきなんじゃないかなと思いました。
記者はペンを持ったお巡りさんになってはいけないという台詞もありましたが、その言葉の通り、権力の監視者という本来の役割を思い出してほしいです。
