とても楽しい活劇。同じ戦争を題材にした映画でも前作と全く異なるポップなタッチで仕上げていて、ガイ・リッチーもいよいよ器用な職人になっていると思う。ジェリー・ブラッカイマー製作だからかいつもよりアクションが過剰になっていてバタバタと人が死にまくるが、主人公たちが一切暴力を振るうことに躊躇いがないドライさが素晴らしい。リッチーの軽さとブラッカイマーの豪快さが絶妙なバランスで融合していて、主人公たちがナチスとは言えかなり陰惨に人を殺していくのにも関わらず全員がチャーミングに撮られているのでバイオレンスにアンモラルな程の清々しさを感じさせる。細かいカット割りや、主人公たちのチームのブロマンス感などリッチーらしさは随所に見受けられつつ、エイザゴンザレスの華やかさは特筆すべきでリッチーが女優をしっかり撮れる監督になっている事を感じる。アクションパート以外だとエイザゴンザレスとフレディフォックスのスパイ活動パートは画的に地味になりそうな所をタイプライターを撃つ指先など、細くアップを繋いでリズミカルに見せているのは感心した。