ノラネコの呑んで観るシネマ

アンジェントルメンのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

アンジェントルメン(2024年製作の映画)
4.3
第二次世界大戦下、海上輸送の最大の脅威だったドイツ海軍のUボートへの補給を断つために、英国の非正規戦を担うSOEの部隊が、中立国スペイン領の島に漁民を装って潜入する。
ターゲットは、燃料と魚雷を満載したイタリア船籍の貨物船。
「ポストマスター作戦」の実話をベースに、ガイ・リッチーがモリモリに盛って映画化。
ヘンリー・カヴィル演じる、ガス・マーチ=プィリップス少佐は、ジェームス・ボンドのモデルの一人で、イアン・フレミングもSOE司令部の士官として出てくる。
しかし盛ってはいるが、大筋では史実に沿っているので、映画的脚色ということにしておこう。
「ナバロンの要塞」的な、戦時下の特殊部隊による知られざる秘密作戦は、冒頭から見せ場も満載。
ナチスを惹きつけるための、美人スパイによるコンゲームのようなサブプロットも有効に機能し、飽きさせない。
まあここまで脚色するなら、ナチス側にもう少し頭の切れる悪役が欲しかった気がする。
拷問好きのサド男は、ちょいキャラとしては弱かった。
ぶっちゃけ、何もしないまま消えちゃったし。
エンディングで紹介される登場人物たちの、その後の実際の人生を調べて思わず涙。
戦争はいつの世も残酷だ・・・。
しかしリッチーとカヴィルのコンビは、「コードネームU.N.C.L.E」の続きはもう無いのかな。
面白かったけど、コケちゃったからなあ。