タイの二大スター、プーンパット・イアン=サマンとプーウィン・タンサックユーンが共演したホラー。
なかなかよく出来ていた。タイホラーにありがちな冗長さや間延び感もなくテンポよく進んでいく小気味よさがある。特殊効果も安っぽさがなくよく出来ている。
田舎の島に兄を探しに来たタームだったが、この島の独特な信仰と排他的な村人や僧侶に巻き込まれていく。
寺のはずなのにポープーという邪神を崇拝する土着信仰、この設定がもうワクワクする。『呪詛』とか『女神の継承』とかこういうのいいよね。
兄を探す内にフンパヨンと呼ばれる土像をめぐる脅威に脅かされていくターム、ジャンプスケアが多いのはご愛嬌だが、しっかりとしたホラー演出がなかなか上手い。
自閉症のテや若い僧侶とともにそうした脅威に迫っていくのだが、意外な真実が明らかになっていく。情報の出し方が上手く、しっかりハラハラさせられる展開になっている。
ラスボスがあっさり倒される終盤の展開は「え?」と思ったが、その後に本当の恐怖が立ち現れていくつくりが何気に上手い。タイホラーでここまでテンポが良いのは初めてみたかも。
明らかに続編ありきの終わり方になっているがちゃんと続くのだろうか。一本のホラーとしてもかなり楽しめるし、その後の展開を想像させる終わり方もいい。しっかりと作られた良作ホラーでなかなか楽しめた。