積まれた段ボールは運ばれなければならず、仕入れられた銃器は発射されなければならない。そんな映画の基本のキに従事しさえすれば、あとはなんだってありなのだ。90年代の黒沢清における悪意の伝染という主題が、より悪意の跋扈する現代のインターネットを介し回帰する。わりあいに変な映画なのだが、となりに座っていたおっさんが上映直後にイタリア語訛りの英語で話しかけてきて、「傑作だ! わしは説教くさい映画が嫌いなんだ! これくらい意味不明なのがいいのだ!」とわたしの顔に興奮気味に唾を撒き散らして去っていった。そうかいな。