近本光司

窓ぎわのトットちゃんの近本光司のレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
3.5
ポリオを患い、左手と右脚の自由が効かない男の子。トモエ学園に在籍する不具の同級生をめぐる描写が、軽く明るいタッチのアニメーションのなかでひときわに印象に残る。トットちゃんに唆され、決死の思いで校庭の木を登った日。いつもは読書に耽ってばかりで洋服を汚したことなど一度も無かった彼が、この日はじめて泥だらけになって帰ってくる。風呂場の外に立つ母は、息子に向かってもうこんなに汚してと責めるような口振りで言いながら、しずかに泣きくずれる。泣けます。