バスに蠢く真っ黒な大きな影…
ラストのペイントされた不穏な空
世界ではなく、人間の終末感
全員が死んだ眼で電車から降りてくる乗客
パソコンの暗い画面
人間の業の深さや笑顔と思いやりらしきものの裏返し…
黒沢清監督の真骨頂でした。
ここ最近では一番おばけに寄せられていたようで嬉しかったです。
物語の展開としては現実感やリアリティは薄く、物語としての過程はあまりに跳びすぎてる感ありますが…。
初期の『蛇の道』『修羅の道』を思い出す人間の奥底感は何だかよくわかります。
…些細な事で赤の他人を思いつく限りの残虐な方法で何百回も葬りさった感情を見ていたようで…
自分が恐しくなる瞬間がありました。
私も殺りました…
個人的には一番わからなかったのは菅田将暉さん演じる主人公…
転売ヤーとして悪にも染まり切れていないただの人…当たり前に人を信じて、陰口叩いて、自分の都合だけで生きていく
感情も薄くなってきているのにも気付かない人生のような…。
これは周りの闇を沢山背負った我々の姿を際立たせるための進行役だったのではないか…と考えてると少し腑に落ちる。
そして我が身の怖さをも振り返る…。
いいとも悪いとも知らしめず…
悪意のクラウドはいつでも何処でも…
嗚呼…新年向きではないだろうが…
嫌いじゃないんですよねー
…っうか少し好き❤️
やっぱ黒沢清監督はこうでなくては!
…また👻おばけが見たいなぁ…『降霊』のような…
快晴の空の下、新緑が溢れる風の中に立つ🧍♀️何かを…人なのか?樹木なのか?
…🥶