パピコ

ルックバックのパピコのレビュー・感想・評価

ルックバック(2024年製作の映画)
4.0
チェンソーマンの藤本タツキが描いた読み切りマンガが原作。

努力と才能。挫折と成長。嫉妬と羨望。友情と自分の夢。現実とフィクション。創作物が生み出す力と無力感。
何のために身を削ってまで創作し続けるのか。
藤本タツキの内部の葛藤を描いたような作品。

その漫画原作を忠実に忠実にアニメ化した映画でした。
余計なことはせず、作品のことを愛してくれているのが伝わりました。

キャラクターが動くことによって、主人公の喜怒哀楽表現が見事でした。
田んぼでの喜び爆発シーンは美しかった。

1番僕が尊いと感じたのは、ひたすら絵を描く背中です。年月は過ぎてもただひたむきに絵、漫画に取り組む背中をじっくり見せてくれたのが、何かに全力で取り組んだ人たちが救われるシーンだったかなと思います。

悲惨な現実を創作物がもたらすフィクションによって塗り替えて、前を向けるように。
創作物は悲惨な世の中にとって直接的には無力かもしれない。ただ救われる人間がいる。待ってくれる人がいる。
創作物に救われた1人として、世の中の全ての創作物に感謝です。
パピコ

パピコ