ヤマニシ

ルックバックのヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

ルックバック(2024年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

 ストーリーは原作通りなので改めてどうと言うこともないが、映像化にあたって原作との差別化を意識してるなーと思った。特に音楽は映画館でみたせいかメチャクチャ音量がでかくて、原作だと擬音も書かれていないシーンでものすごい大音量の音楽が流れたので面食らった。あと、原作だと定点カメラで中央に背中を見せた人物を据えて背景だけ変化させるシーンが多かったイメージだったけど、映画では同じようなシーンで人物の正面にカメラを持ってきてるシーンが多かった気がする。原作読んだのが公開当時なのでもしかしたら間違いかも。(でもルックバックってタイトルだし背中を描いてるシーンが多かったイメージ。)映画でもおんなじように人物の背中を中心に背景だけ変えてるシーンもあったけど、そうじゃないシーンもそれなりにあったので、そのあたりは制作陣も意識してるような気がする。でもルックバックってタイトルなんだし余分じゃないかなーとちょっと思った。ただ、序盤とか中盤では歩いてるシーンとか走ってるシーンとか作画がヌルヌルだったので、上述のポイントと併せて漫画表現とは別方向の作品として作ってるんだろうと思ってたら、終盤の方で漫画のコマ割りみたいな演出とかもろに吹き出しとか出てきて、自分が思ってるほど原作との差別化とかは考えてなかったのかもとも思った。なんか不満みたいに書いたけどそういうわけではなく、原作とは別の表現がされてる作品として楽しめた。なんというか原作はかけがえないの無い存在を失ってもその人のためにただひたむきに進み続けるような主人公を描いた作品で、映画は主人公とその友人の関係により焦点を当てたドラマって感じ。(原作の1コマ目とラストのコマのDon'tとin angerがアニメではなかったあたりその差異は意図的だと思う。)それぞれ別の角度から楽しめるのでいい感じの映像化だったと思います。
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