たけ

ルックバックのたけのネタバレレビュー・内容・結末

ルックバック(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

京本のキャラが好きだったな。 あの藤野へのまっすぐな憧れ。 京本の描く絵は人と接さないせいか情景のみで綴るストーリーで実にアート的だけどメチャクチャ上手い、藤野の対極を行くような作風で、絵の上手さは抜群だけど、そこは藤野にとっては救いだったかも。 あれでストーリー性もあったら恐らく京本も藤野に心酔はしてなかったかも。
自分と対極の陽キャの藤野が描くウィットで独自性に富んだ漫画は、引きこもりの京本にとってはファンタジー作品に近い魅力で輝いてたんだろうなぁ。
漫画での序盤しか知らなかったので、中盤の展開にビックリしたけど、藤本タツキらしい残酷さとも言えた。 もうちょっと初めの世界線の藤野にも別世界線の展開を感じさせて欲しかったけど、一瞬の展開はファンタジーなんだけど、そこに現実のやるせなさを一瞬で突き付けてきたのはどこまで現実的。
最初の世界線での京本はもう戻ってこないけど、別世界線での京本と藤野にはどうか幸せであって欲しい。

藤本タツキらしいちょっと気持ち悪い動きや変顔の演出とかセリフで多くを語らない演出だったり作風でも見所はたくさん。
讃美歌のような主題歌で2人の時間を振り返る所はグッとくる。
観て良かった作品だった。
たけ

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