がぶりえる

ルックバックのがぶりえるのレビュー・感想・評価

ルックバック(2024年製作の映画)
3.5
エエ話ではあると思う。
でも「俺の話だ!」とはならなかった。

ないものねだり
才能への嫉妬
が、2人の天才を結びつける友情物語
お互いがお互いのことを心の中て認め合っているし、必要としあっているから2人は天才であり続ける。

世の中の不条理をフィクションで消化するエンタメ。明らかにタランティーノ。
死は人を負の感情に向き合わせ、同時に前を向く力もくれる。死を受けて、はじめて自分の作品作りの原点を振り返る藤野。どんな選択をしても、結局自分は漫画を好きでい続けているし、京本と漫画を描いてる世界線に辿りつく。京本と藤野は切っても切れない運命の糸で繋がっている。

王道友情ものとしてエエ話。1時間弱でギュッとまとめあげる濃縮したウェルメイドのエンタメ。音楽でガンガン誘導して、作画力で圧倒させて、客の感情を高いとこまで持ってくのは上手い。でも共感できる話ではなかった。序盤の小学校の感じは共感できたけど、あとは天才の世界の話というか、原作者藤本タツキの「なぜ自分は漫画を描くのか?」という自己整理のための作品に感じた。