ああ、なんていい映画化なんだろう…。
アニメーションが与える息吹を感じる完璧なまでの原作への愛に満ちた作品だった。
小学4年生。誰よりも絵が上手いと自惚れていた主人公は、突如自分よりも絵が上手い同級生と出会う。
原作はチェンソーマンで一躍有名になった藤本タツキ。チェンソーマンで未知と絶望を植え付けたあとに突如として発表されたルックバックで、羨望と前進を見せつけられたときの衝撃は度肝を抜かれたことを今でも覚えている。
世間もどうやらそうらしく、この映画化もきっとそれを全身に浴びた人たちが作りあげてくれたんだと思うとリスペクトに泣けてくる。
というかシンプルに映画があまりにも良過ぎて泣くのを堪えるのに必死だった。
なぜだか、涙を懸命に堪えていた。なんでだろうね。
人が何かにハマる瞬間というのは、やっぱり人との出会いなんだろうなと心底思わされた。
周りとの当たり前に流されずに自分を貫ける人がどれだけいるだろう。どれだけ自分の感性に熱中でき、どれだけ自分を信じて大きく舵を切れるだろう。
原点を振り返る時間と余裕があれば、人は進める。
という本当に細い光を見つけられるかどうかは観る人によって変わるんだと思う。
人と背景はどっちもなくてはならない表裏一体なんだって感じさせてくれる。
色鮮やかな世界に色を入れたのは
救われていたのは
きっと自分だけではないんだろうね。