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エイリアン:ロムルスの一人旅のレビュー・感想・評価

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)
5.0
フェデ・アルバレス監督作。

ウルグアイ出身の俊英:フェデ・アルバレスが演出を務めた「エイリアン」シリーズ最新作で、シリーズの生みの親であるリドリー・スコットが製作に名を連ねています。

「エイリアン」の正史には属さない番外編的位置づけのシリーズ通算第7作目です。リドリー・スコットによる1979年の第1作の20年後、西暦2142年を舞台に、人生の新天地となる惑星に向かうのに必要な冷凍休眠装置を手に入れるため、放棄された宇宙ステーション「ロムルス」に侵入した若者たちを襲う極限の恐怖を描き出しています。

人生の希望を求めて廃ステーションに辿り着いたヒロイン:レインら労働階級の若者たちと、船内に潜む兇悪なエイリアンとの熾烈な攻防を活写したSFホラーで、シリーズ第1作への原点回帰を図った薄暗い密室シチュエーションでのホラーテイストな作風が特色となっています。人間に張り付き“種”を植え付けるフェイスハガーや強酸性の血液を持つ成体エイリアン(+α)から逃げ惑う若者たちの苛烈なサバイバルと存亡をかけた戦いの顛末をスリリング&恐怖度満点に描いたSFホラーエンタテイメントで、船内に搭載された重力発生装置の存在がアクション演出のバリエーションを増やしていますし、ヒロインが弟として大切にしているヒト型アンドロイド:アンディとの共闘と異種間の絆でも魅せてくれます。

グロテスクな出産シーンや神出鬼没なエイリアンとの大攻防アクションといったシリーズ旧作のオマージュも散見されるアルバレス流スピンオフで、主演のケイリー・スピーニーがシガニー・ウィーバーに代わる新たなヒロイン像を体現した力演を見せています。
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