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エイリアン:ロムルスのプレコップのレビュー・感想・評価

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)
4.4
ブラック企業からの脱出

重力のON/OFFのギミックが執拗に繰り返され、無重力空間に変化した途端に奴隷のような状況からの解放感を提示していく演出のシャープさが白眉。

諸々の設定は「エイリアン」を観ていないと置いていかれるし、リドリー・スコットによる世界観はもちろん引き継がれ、一作目を意識した演出もとても多かった。フェイスハガー、エイリアンの躍動がさらにトラウマ級の映像に寄与している。

「DUNE/砂の惑星 Part.2」や「マッドマックス:フュリオサ」など今年公開のビッグバジェット続編SF映画を締めくくる作品として大画面で観る価値があり、すこしご都合主義的なところにも愛嬌がある。

浮遊と落下を繰り返し、消耗した挙句に捕食者にとどめを刺される絶望的な構造と、会社が求める"究極の合成人間"は結局人間なくして成し得ない悲哀が印象的。

アンドロイドの設定は「ブレードランナー」のレプリカントとかぶるところが多すぎるが、スターウォーズ8のフィンみたいなリアルお荷物(ノイズ)に設定されてなくて良かった。
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