エジャ丼

エイリアン:ロムルスのエジャ丼のレビュー・感想・評価

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)
4.2
「逃げ切れるか? 生存率0%の絶望から…」

孤児のレインは、劣悪な生活環境から抜け出すため、宇宙空間に放棄されたユタニ社の宇宙船から休眠装置を盗み出し、惑星ユヴァーガへの移住を試みる。しかしその宇宙船には謎の生命体の痕跡があり…。

時系列的には「1」と「2」の間のお話。エイリアンシリーズはまだ全部観れていないけど、シリーズにリスペクトを払った安定の面白さだった。

荒廃した惑星に住む主人公。アンドロイドの存在は当たり前だが、彼らを毛嫌いする者もいて、なんとなくゲームの『デトロイトビカムヒューマン』のような世界観。宇宙船や建物の雰囲気はどことなく『ローグ・ワン』を思い出す。IMAX版は全編で画面比率が変わっていて、本当にゲームの画面のようなアングルが多くて面白かった。

監督は『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレスということで、密室型のスリラーとしての手腕はもちろんのこと、極力CGに頼らない撮影の姿勢がエイリアンの生々しい恐怖を増幅させていた。映像自体は現代のクオリティを保ちながら、船内のスイッチだったり操縦席だったり、ところどころのなんとも言えないディストピアのレトロ感にも過去作のものを受け継ぎながらにこだわっているようで、現代版エイリアンとしての役割を全うしようとする気概を強く感じる。

『X エックス』は『悪魔のいけにえ』に敬意を表した作風で、往年の作品の手法や表現を新たな解釈や発想とともに焼き直しする姿勢を見せていて個人的にとても好き。『フォースの覚醒』なんかもそう。今作『ロムルス』もその意識というか意志がものすごく感じられるほど、過去作へのオマージュに満ちていて、シリーズのファンはまたスリラーとは違った視点でも楽しめると思う。