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めまいのnaoのネタバレレビュー・内容・結末

めまい(1958年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます


ヒッチコック鑑賞3作目です‼️

高所恐怖症の主人公が、旧友から妻の身辺調査を依頼され調査を続けるうちに彼女の奇異な行動に翻弄されていくさまを描いています。


前半、少し、だらだらして、テンポが悪くて 眠ってしまうかもと思っていました。

ところが、中盤~終盤にかけて伏線を回収する所からどんどん映画に引き込まれていきました。


中盤
主人公が愛したのはジュディが演じたマデリンの虚像なわけで、まるでひとときの幻を見ていたような悲しさも感じさせます。

それでもジュディが、犯罪の手助けをした過去を捨て新しい自分として主人公の愛を求める姿が、切なかったです。

ラスト、あの影は、ジュディにとって自分が加担し殺してしまった妻に見えたのかもしれません。

ジュディが、影に怯え足を踏み外したのもその罪に対する「罰」だったんだと思います。だからシスターが「偶然」登場したんだと思う。

自分も高所恐怖症なので教会のシーンで少しブルっときました😅


この作品、一人の女性を自分の思い描く虚像と合致させていく男など、ヒッチコックのフェチズムが全編通して色濃く出ていると思います。

革新的な映像技法や前後篇のスピード感の違いなどで視聴者を観入らせていくこれこそが、この映画が評価されている所以だと思う。

自分が、後篇だけで一気に映画に惹きつけられる事なんて初めてです。そんな現代でも新鮮な感覚を味わせてくれる映画でした。
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