千里

蒲団の千里のネタバレレビュー・内容・結末

蒲団(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじに惹かれて鑑賞。仕事もプライベートも上手くいかない40代後半のダメ男の人生に訪れたちょっとした変化が描かれる物語。ダメダメ主人公の境遇に部分的に共感出来てしまう自分がいてなんだか複雑...でもとても楽しめた。

昨年の「レッド・ロケット」の主人公程落ちぶれてはいないけど、30代の頃にヒットを飛ばして以来売れない脚本業、それに加えて冷め切った夫婦関係と仕事もプライベートも上手くいっていない40代後半の時雄の下に、脚本家になりたいという夢を持つ20代前半の芳美が現れたらそりゃ全てが眩しすぎる...。

勿論仕事と託けて、自分より才能のある芳美の実力を素直に認めようとしなかったり、プライベートにまで入り込み彼氏との仲を邪魔しようとしたり、挙句の果てには襲ってみたりと、脚本家としても1人の人間としてもダメダメな男なんだけど、自分の未来を見据えるとこういう感じになってしまうんじゃないかと複雑な感情に...。反面教師にしないと。。

そもそも彼氏とのセックスの話題のようなプライベートな話題に踏み入ること自体セクハラ過ぎるけれども、芳美も芳美で処女である振りをする辺りなんかちょっと小悪魔チック。

時雄が芳美との関係性について筆を取り始めた頃に、芳美が時雄との体験を既に作品にしようとしているというラストのオチは「時雄ざまぁみろ!」って感じではあるのだけど、仕事を失い書きたいものももうないというタイミングで、妻にも「仕事にならなくても昔みたいに好きなことを書いてる姿が見たい」と言われてしまうのはちょっと可哀想だなと...。芳美との体験を書き始めた時雄の今後の行末までは描かれなかったので、時雄が今後どのように人生を生きていくのかとても気になる。

上映前舞台挨拶も楽しい雰囲気で良かったし、抽選に当たって人数限定のミスト(?)も貰えたので大満足!
千里

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