じゃがじゃが

先生の白い嘘のじゃがじゃがのレビュー・感想・評価

先生の白い嘘(2024年製作の映画)
3.5
監督のインティマシーコーディネーターに関する発言を知らずに鑑賞。

とても素晴らしい作品だった。女性が抱える性格差の思考を的確に表現していることもそうだし、男性が抱える途方もない孤独も見事に表現されていた。

特に奈緒の演技は圧巻。「性格差と戦いたい心と人を好きになる心」の矛盾に葛藤する美鈴を、セリフ以外のところでも随所に表現していた。


そして鑑賞した後にインティマシーコーディネーターに関する記事を読んだ。

確かに批判はごもっともだし、公開後も大切に育てていく作品にケチが付いてしまうことは制作に携わった人の気持ちを思うと残念。

ただ、こうゆう批判の中にも作品がテーマとして掲げる性のいびつさが内在していることも知らなければならない。「奈緒がかわいそう」「監督にはデリカシーがない」といった感情は正に男女間に力の差があることを前提としていて、その部分とどのように戦っていくかを提示しているのがこの作品だということ。

自分はこの騒動を知らずに作品を鑑賞できてある意味ラッキーだったのかもしれない。
知ってしまったあとでは作品を見る目が相当変わってしまう可能性が高い。
でも、まだ作品を観てない人は、この騒動で得た感情が作品を鑑賞後にはまた違う感情となることは間違いないはず。