はみ

日日芸術のはみのレビュー・感想・評価

日日芸術(2024年製作の映画)
4.5
新宿K'sシネマにて鑑賞。障害や疾病などを抱えながらも自らの衝動の赴くままに表現行為を続け、それを日々の生きる糧にしている人たち…
落ち葉に息を吹きかけながら動物を折る青年、ロリータファッションに身を包み鳥だけを描き続ける青い髪の女の子、毎日コンビニのコピー機で自分の顔をコピーする男性、20年以上セロハンテープでメガネを作り続けている男性、黒のボールペン1本でひたすらキャンバスに小さな円を描き続けている女性、巨大迷路のような驚異的な一筆書きを描き続ける男性、そして72歳の時突然自宅の外壁に絵を描き始め僅か5年で外も中も家中絵で埋め尽くしてしまった男性…
彼ら彼女らの描く事、創る事へのエネルギーがスクリーンから溢れ出していた。敢えて個々の障害については必要以上には語らず、描く事、創る事を前面に打ち出し、そのエネルギーによって生み出されたパワフルで最高にハッピーな作品が、映画を観ている私たちをも幸せにしてくれるようだった。
これまで渋谷公園通りギャラリーなどで何度か鑑賞してきたアール・ブリュット展。その時、出会った作品が映画の中でも登場していて嬉しかったし、会場で撮った作品がスマホのアルバムにあるが、こうして映画になって公に残されていく事は意義のある事だと思う。
劇場ロビーには映画で登場していた作品が展示されていた。晩年、病床に伏しながら描いた故・小林伸一さんの作品も…
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